「多国籍タウン」はもう始まっている 〜身近にある異文化との出会い〜

はじめに:番組が伝えた「国内留学」という発想

先日放送されたNHKの『所さん!事件ですよ』で、「まちなか留学」という取り組みが紹介されていました。

「留学」と聞くと、海外に行って語学を学ぶイメージがありますが、この取り組みは少し違います。
日本国内で暮らす外国人家庭を訪問・宿泊し、異文化を体験する“国内留学”。

番組では、インド人のホストファミリーの家庭が紹介され、宗教・食・暮らしなど、文化の奥にある日常が映し出されていました。

地元にも広がる「多国籍タウン」

実は、こうした異文化体験は「特別なこと」ではないのかもしれません。

私の地元・埼玉県鶴ヶ島市でも、駅前やスーパーで外国人の姿を見かけることが増えました。
彼ら、彼女らは観光客ではなく、この街に住み、働き、生活をしているのです。

つまり、すでに私たちの暮らす地域は、「多国籍タウン」になっています。 それにもかかわらず、私たちは日常の中で、彼らの文化や生活を知る機会がほとんどありません。

異文化を知る最初の一歩

番組では、「まちなか留学」を通して、外国人家庭のリアルな生活に触れる様子が描かれていました。

“インドの家庭ではどんな食事をしているのか?”
“宗教的な習慣はどう生活に関わっているのか?”

そんな疑問に、直接出会いながら答える時間があったのです。

こうした体験は、知識として学ぶよりもずっと深い理解を生みます。
たった1日だとしても、「知らない」から「少し知っている」に変わるだけで、私たちの視点はぐっと広がります。

インドでの暮らしから見えた家庭のリアル

私はかつて、約7年間インドで暮らしました。
その間に何度かインド人の家庭に招かれ、食事をご馳走になったことがあります。

そこには、レストランで食べるスパイスの効いた料理とは違う、優しい味わいの家庭料理がありました。
野菜中心で、お腹にもたれない、温かみのある食卓。

家族が集まり、祈り、笑い合う時間の中に、「文化」と「生活」が自然に溶け込んでいました。

その体験を思い出すと、日本でも同じような経験ができる「まちなか留学」は、本当に意義ある取り組みだと感じます。

日本で手軽に「まちなか留学」を体験する意義

「たった1日で文化がわかるの?」という疑問を持つ人もいるかもしれません。
しかし、まったく知らないまま過ごすより、少しでも触れることが大切です。

知ることが、共に生きる第一歩。
自分の街で異文化に触れ、外国人と交流することは、特別なイベントではなく、日常の延長線上にあるものです。

“多文化共生”は、政策や理念ではなく、一人ひとりの出会いから始まるのだと思います。

まとめ:共に生きるための小さな行動

鶴ヶ島市にも、多くの外国人が暮らしています。
私たちはもう、「単一民族の社会」に生きているのではありません。

それならば、隣人の文化を知り、尊重し合うことが、これからの社会に必要な姿勢ではないでしょうか。

“まちなか留学”は、その第一歩を踏み出すきっかけになるはずです。

見慣れた街で「世界」に出会う——

そんな体験が、これからの多文化共生社会をつくっていくと信じています。

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