インドにて国民文化の違いを実感する
12月に入り、ガジアバード(Ghaziaabad)というデリー国際空港から車で90分(あまり渋滞はありませんでしたが、渋滞あれば2時間以上?)で実働4日間の出張に行きました。
この会社はインド人によるインド人がマネージメントをする会社です、とわざわざ書くのは理由があります。今まで私はインドで2回働きましたが、いずれも日系で日本人が社長の会社でした。今回のようなインド人マネージメントの会社は実際初めてです。
インドと日本のそれぞれの特徴
ホフステード6次元モデルのよると、インドの特徴は
・権力格差が大きい(上司と部下の間にある不平等を認めている)
・集団主義(家族主義)が強い(上司は部下を家族のように扱う)
*ここが妙なのですが、打ち合わせで部下に大声であれこれ指示をしている上司が、ランチ時には「お前は頼りにしているぞ」と実際に言っている日々です。
・不確実な環境を受け入れる(よく分からなくても、とりあえずやってみます)
・短期志向が強い(なんでも短期間で出来る方法を模索します)
それに対して日本の特徴は
・権力格差が大きくなく
・集団主義も強くなく(個人主義でもありません。中間です)
・不確実を避ける傾向が強く
・長期志向で、まずは準備から始まる
そんな、大きく国民文化が異なる環境での4日間でした。
部長Rさんとのやりとり
一緒に仕事をしている部長のRさんに、「私のチームをどう思うか?」と聞かれたので、ホフステード6次元モデルを紹介し、「あなたは強権を使うが、部下を守ってますね」と伝えました。
彼は、この6次元モデルにとても興味を持ち、「日本人は不確実を避けて、長期志向なのか? 具体的にはどの点がインドと異なるのか?」と聞かれました。
具体例として、
「今回の会議では、事前情報収集をすることなく、○○をする、と決めたが、日本人であれば、事前情報収取と分析、それから作戦を練る。また、12か月で目途を立て、18か月で成果を出す、と企画されたが、個人的には36か月(企画の2倍の期間)が必要と感じている」と伝えました。
R部長はこれを聞き、「なぜ異なる意見をもっているのであれば、それを主張しないのか?」と言われました(伝えましたが、スルーされました)。
ここはインドで、私はR部長にレポートします。そのR部長が、「即行動して18か月以内に成果を出す」と決めたのであれば、私はそれに従うのみです。
インドでは部下が上司に異なる意見を会議中に言うことは避けるべきで、それは今後どこかの機会で伝えよう、と思っていました。
異文化対応・理解の時間を得る
私は日本人でインド人とは異なる国民文化を持っていますが、それをどう理解し、対応するかについては、
私はマジョリティ(多数派)又は、絶対権力を持っているのか?
私はマイノリティ(少数派)なのか?
を理解することが大事です。
「今日の私は、インドの会社でインド人マネージメントにレポートするマイノリティー(少数派)の日本人です。だから今はインド国民文化に沿って行動・発言をしています」と伝えました。
大笑いしたR部長ですが、その後もホフステード6次元モデルについて多くの質問をもらい、それを事例を使って説明する、という本当の【異文化対応・理解】の貴重な時間を持つことができました。
また、最終日の夕食会では、「今の立ち振る舞いは日本人なのか? インド人に合わしているのか?」的な会話で盛り上がりました。
今後の展望
今後、R部長及びそのメンバーと協力しつつ業務を推進しますが、早い時期にインド人と日本人の違いをホフステード6次元モデルを使って説明できたことで、今後の彼らとのコミュニケーションが楽しみになってきました。
*私はインドの会社で(フルタイムではないパートタイムで)業務を開始しましたが、勤務場所は、日本の自宅です。そこから日本のお客様サポートをしたり、R部長チームとのWeb会議で業務推進をしています。