『リーダーに必要なことはすべて「オーケストラ」で学んだ』ーー40代からのマネジメントに効く「指揮者型」の組織論
異世界のプロフェッショナルから得た、「意外な気付き」
目次
40代を過ぎ、会社でのキャリアもベテランの域に入ると、日々のマネジメントや組織運営にどこか「自分の型」が出来上がってくるものです。
しかし同時に、「本当に今のやり方のままでいいのだろうか」「もっとメンバーの力を引き出す方法はないか」と、現状のマネジメントスタイルに新たなブレイクスルーを求めている方も少なくないのではないでしょうか。
実は先日、私自身のプライベートな挑戦の中で、これまでのマネジメント観をガラリと変えるような、新鮮で衝撃的な出会いがありました。
少し前から、私はある勉強会でご一緒させていただいた、島根県在住のNさんという方からウクレレを習っています。
彼は音楽大学を卒業され、これまでも様々な場所で活躍してこられた素晴らしい音楽家なのですが、現在はさらに「オーケストラの指揮者」を目指して学びを深めておられる真っ最中なのです。
ウクレレのレッスンの合間、何気なく彼に一つの質問を投げかけてみました。
「オーケストラの指揮者って、具体的には一体どんな役割をされているのですか?」
この素朴な疑問に対する彼の答えが、私のそれまでの常識を心地よく覆すことになったのです。
指揮者と上級管理職、その驚くべき共通点とは
Nさんから返ってきた数々の説明を聞きながら、私は驚きを隠せませんでした。
なぜなら、彼が語る「指揮者の役割や苦悩、目指すべき姿」のほとんどすべてが、私たちが会社組織で日々直面している「マネジメント」そのものだったからです。
まさか、クラシック音楽の華やかなステージに立つオーケストラの指揮者が、会社における上級管理職とこれほどまでに同じ仕事をしているとは、夢にも思いませんでした。
例えば、指揮者は自分一人では一切音を出しません。
音を出すのは、目の前にいる何十人、何百人ものプロの演奏家たちです。
しかし、それぞれの演奏家が「自分の好きなように、自分だけの正解」で演奏してしまっては、不協和音になってしまいます。
全体のビジョン(楽曲の解釈)を示し、一人ひとりの強みを最大限に引き出しながら、組織としての調和(ハーモニー)を生み出して、顧客(聴衆)に最高の成果を届ける――。
このプロセスは、会社で多様な部下をまとめ、組織のベクトルを合わせて目標を達成していく上級管理職の役割と、完全に一致しているのです。
書籍『リーダーに必要なことはすべて「オーケストラ」で学んだ』が教えてくれるもの
この驚くべき共通点をもっと深く掘り下げてみたい。
そう思い立ってAmazonでリサーチをしていた際、運命的に一冊の本に出会いました。
それが、櫻井優徳氏の著書『リーダーに必要なことはすべて「オーケストラ」で学んだ』です。

リーダーに必要なことはすべて「オーケストラ」で学んだ ~プロ指揮者の最強チームマネジメント~ 櫻井優徳 著
著者の櫻井さんは、現役の指揮者であると同時に、ビジネスの現場でも大変豊かな経験を積まれてきた方です。だからこそ、その言葉には単なる理論に留まらない、深い重みと説得力がありました。
本書を読み進めるうちに、Nさんから聞いた話が点と線でつながり、さらに深い確信へと変わっていきました。
経験豊富な櫻井さんの実体験から紡ぎ出されるお話は、驚くほど会社のマネジメントの本質を突いており、最初から最後まで、強い興味と知的好奇心を持って一気に読み進めることができました。
なぜ40代以上のサラリーマンに「指揮者型マネジメント」が必要なのか
40歳以上のサラリーマン、特にプレイングマネージャーとして成果を出してきた人ほど、陥りがちな罠があります。
それは、部下のパフォーマンスに満足できず、つい「自分がやったほうが早い」と、部下の楽器を取り上げて自分で演奏してしまう(プレイヤーに戻ってしまう)ことです。
しかし、組織が大きくなればなるほど、リーダーが一人で出せる音の大きさには限界があります。
本書が教えてくれる「指揮者型マネジメント」の真髄は、以下の3点に集約されます。
- 「楽譜(ビジョン)」を深く読み込み、自分の言葉で伝えること
- メンバー個々の「楽器(専門性)」と「特性」をリスペクトすること
- 本番だけでなく、日々の「リハーサル(1on1や対話)」で軌道修正を重ねること
40代以降のキャリアを豊かにし、組織を一段上のステージへ引き上げるためには、プレイヤーとしての自分を完全に卒業し、この「指揮者」としてのスキルを磨くこと。
それこそが、ベテランリーダーに求められる本当のトランスフォーメーションなのだと、深く実感させられます。
まとめ:自分自身の「タクト(指揮棒)」の振り方を見直そう
ウクレレの先生Nさんとの会話から始まり、櫻井氏の著書との出会いに至るまで。
今回の一連の気づきは、私自身のマネジメントに対する視野を大きく広げてくれました。
ビジネスと音楽。
生きる世界は違えども、人と人が集まる「組織」の動かし方の本質は、驚くほど同じです。
皆さんは今日、オフィスという名のステージで、どんなタクト(指揮棒)を振っていますか?
部下たちの個性を活かし、美しいハーモニーを奏でられているでしょうか?
もし、「最近、チームの足並みが揃わない」「マネジメントに新しい視点が欲しい」と感じているなら、ぜひ一度、オーケストラの指揮者の視点に立って、ご自身のマネジメントスタイルを振り返ってみてください。
きっと、明日からのチーム作りのヒントが見つかるはずです。

