ビジネス意思決定の判断基準はどうあるべきか?
2019年8月20日 Vol 059
会社では日々ビジネスの意思決定をすることを求められます。小さな備品購入の承認から大規模投資の決済まで色々とあります。
日々様々な決断を迫られますが、先日日本の経営者の方とお話する機会があり、その決断に際して、なにを判断基準にされているか? のお話を聞きました。
今日のテーマは「ビジネスの意思決定における判断基準とは?」です。
Sさんは物流関連の会社を経営しており、以前Sさんの「会社の経営方針」作成のお手伝いをしたことがあります。それ以来お付き合いをさせていただいています。
判断基準がブレると部下もブレる
Sさんから「会社の経営方針」作成お手伝いのご依頼があった大きな背景は、中国・アジアの市場開拓です。
そのために、日本に留学で来ているアジアの学生さんたちを採用して、その出身国に対する市場開拓と営業をしてもらっっています。
中国人、ベトナム人、タイ人の社員さんが3名居られました。日本語は上手で会社内ではオール日本語です。
しかし、その3人が頑張れば頑張るほど、Sさんの違和感は増大してきます。それは、Sさんがお付き合いをしたことのない業界の仕事を提案されるから、との事。
知らない業界ですから、どこにリスクがあるのか? その会社の経営状態は良いのか? なにがその会社の特徴なのか? 長いお付き合いができるのか? それとも一回のみのビジネスなのか? などの情報が不十分で判断をしなくてはなりません。
最初は、正直よくわからないので、NGだったり、GOだったり・・自分でもよくわからず、その日の気分で判断しているようなものでした・・と反省しておられました。
その結果、せっかく提案してくれたベトナム人社員は、社長は提案を求めるが、作成するとすべてNG、しかも理由不明・・との理由で退社されたとの事。
明確な基準を作り、それを社員と共有化する
トップの判断がブレると、社員は何をしてよいか?わからなくなる、と大反省されていました。
そこで、Sさんの会社は他社とはどこが違い、何を特徴とする会社なのか? についてトコトン聞き、そしてSさんの会社に対する想いも併せて聞きました。
そしてビジネス判断基準のみならず、会社の経営方針まで作成することとなりました。
(会社の経営方針についてはこちらのブログをご参照ください)
最後に出来た会社の経営方針(ビジネス判断基準含む)文章は、会社は物流技術に強く、システムや物流機器開発ができるが、そのノウハウを生かす。そして、お客様と長いお付き合いができるようにする。
(厳密には文章が違いますが、S社長よりこれならブログ掲載OKをいただきました)
その後
・会社のノウハウを活かした提案
・長いお付き合いができる会社との関係性作り
がビジネス判断軸となりました。
それを数回社員全員と共有化する会議を持ち、提案する側も判断する側も、これが「当社の判断基準」と決めました。
ビジネスの判断基準は会社方針と合致しているか?
その後の新規ビジネス提案に対する決定はとてもスムーズだったそうです。
提案内容には、自社ノウハウを使用した独自性が高い内容となっているか? お客様はその提案を了解したら、長いお付き合いが可能か?
の2点について明確な論理的は説明が書かれるようになったそうです。
Sさんは、価格競争に巻き込まれると、収益を減らすだけで、ビジネスに将来性が見えてこない。
だから価格以外の自社ノウハウ(他社が真似できない)を使い、価格競争外で、勝負をしたかった、と言われています。
ビジネス判断基準作成が始まりでしたが、会社の経営方針まで明確となり、社員がどこに向かって仕事をしていくのか? を議論するきっかけとなりました。
特に外国人社員がいるので、個々のポテンシャルは高くても、組織として向かう方向性が見えてこないと、結果として社員がバラバラな会社になってしまします。
日本人でされ、年齢、前職経験などで大きく考え方が異なります。その異なることはビジネスを拡大する大きなチャンスとなりますが、逆に会社の方向性を見えにくくしてきます。
しかし、「経営方針」があれば、その理解を通じて、社長であるSさんの会社に対する想い、そして、今後の方向性も明確となり、一丸となった組織運営が可能となります。
リーダー・経営者の皆さん、今日の内容は外国人社員さんが事例となっていますが、日本人でも価値観の違う社員が大勢います。
その社員をどう束ねていくか?
経営方針はその回答の一つとなります。いまある経営方針が令和で通用する内容か? その内容は適時、社員と語り合う時間を持ち、同じ理解をしているか? をご確認ください。
コメント・ご質問等お待ちしております!こちら までお気軽にお送りください。
今日も最後まで読んで頂きありがとうございます。
良い一日でありますように!