年上部下との付き合い方・扱い方 5箇条

2019年8月3日 Vol. 049

年金支給年齢の遅れに伴い、各企業では定年延長が制度化され、60歳超の社員が増加しています。

しかし、(大体の企業が)60歳にて役職定年になるので、組織の長(課長・部長など)の職位は降りることになります。

つまりスタッフ業務を担当することになります。

今後は年上部下(元管理職を含む)がどんどん増加してきます。 さて、あなたならどうお付き合いをしますか?

今日のテーマは「年上部下との付き合い方」についてです。

多様化する人財対応の専門家 谷口彰です

私の経験ですが管理職になってすぐに、部下が全員年上 という全身が痺れる部門を担当したことがあります。今から思えば「良い経験」ですが、当時はとても大変でした。人生の先輩方とのお付き合いは一筋縄ではいきません。

先輩方との信頼関係構築

年上部下の方々は、頭では「上司はだれ+指示命令系統はこれ」 と理解していても、心では、「自分と自分の経験に敬意を払って欲しい」という強い願いがあります。

よって、年上部下が年下上司の指示を素直に聞いてもらう環境を作るためには、日々のお付き合い=コミュニケーションの内容と質が重要です。

 

尊敬と尊重を違いを知る

年上部下と仕事をする基本的な考え方は、年長者とお付き合いをする、という事です。町内会の年長者に対しては、尊敬の気持ちをもって接していると思います。社内でも同様に尊敬の気持ちを持つことが大切です。

しかし、尊敬をする場合と尊重しかしていない場合がよく見受けられます。
尊敬と尊重の違いはなに?

尊敬:いつでもどこでもその人の行為・業績などをすぐれたものとして認める
   人に対する敬う気持ち

尊重:ある事柄・事象・実績にたいして、尊いものとして認める
   人を含めて、特定の業績・意見・など特定の事柄を対象とする

ですから、年上部下に対しては、尊重でなく尊敬の気持ちを持ち続けることが大切です。

あの年上部下は、管理はスペシャリストだけど、その他はたいしたことないよ・・と思ってお付き合いをすると、それが態度に出て、その年上部下は「ああ尊敬ないな~」と感じてしまい、信頼関係は遠いものになっていきます。

信頼と信用の違いを知る

これは尊敬・尊重と同じ考え方です。

信頼:いつでもどこでも真実

信用:ある特定条件下で信じること

ですから、年上部下とのお付き合いでは、常に信頼関係を持つんだ、という気持ちが必用です。

大きな好奇心を持つ

年上でも年下でも「部下」ですから、どんな経歴で、何をしてきて、何が得意分野なのか? は年上部下とのお付き合いが始まる初期段階で聴くことがだいじです。

もちろんその時は、ご本人からの「俺は昔ね~」的な長い話は出てきますが、最初はじっくりと聞いて、本当にどういう性格方なのか? 本当に得意分野と言っている領域の専門性は高いのか? どんなキャラなのか? などの調査が必用です。

また日々の趣味なども話題つくりには大切です。年上部下を尊敬して信頼関係を持つ! と決めたのであれば、相手に興味を持ち、大きな好奇心で日々接することで、新たな気づきが生まれ、そこから当たらな会話が生まれ・・という好循環となります。(年上部下だけでなく、部下・同僚に好奇心を持つことは重要です)

 

管理職のあなたが立場は上です

年上部下とのお付き合いにおいて、尊敬・信頼・好奇心を持ちましょう、と提案しましたが、とは言っても組織における指示命令系とは明確で、あなたが管理職です。

よくありがちなケースが、年上部下になめられてはいけない・・という気持ちが強く
・偉そうな態度をとる
・上から目線で発言する
・友達言葉(ため口)で話す
などは絶対にしてはいけません。上司としての人間性を疑われます。

年上部下は正直、上司のあなたが、年配者に対してどう接するのか?を興味津々で見ています。

元課長・部長であれば、マネージメントの方法
元スペシャリストであれば、特定分野に対する知識と経験 からの視点です

年下上司がその分野で年上部下と戦っても勝てる訳がありません。経験の差は埋まらないものです。

私が今、ブログを書けるのは経験の差です。サラリーマン36年間やっていると様々な場面に遭遇し、それを乗り越えてきたので、その経験をお話ししているだけです。

ですから、わからないこと・疑問に思ったことなどは、正面から年上部下に聞くことをお勧めします。またこのことで年上部下のプライドを見つめることにもなり好循環が生まれます。

私の例ですが、年上部下にこんなことを聞いていました
・お客様クレームが発生した際、私はこの方法で対応・処理したいと思いますが
 過去の経験から、(先輩から)何かアドバイスをいただけますか?

・新しい業務で○○さんに任せようと思っていますが、彼のキャラ的に少し弱いかな、と心配あります。長年人事を経験された視点から何かアドバイスをいただけますか?

・来週大きな評価会があり、評価者にH役員が来られます。先輩はH役員と以前同じ部門だったとお聞きしました。この資料を見ていただき、H役員が指摘するとしたらどんな点になるとおもいますか? 想定質問に対して回答を準備したいので・・

などなど
・上司として、私が最終決定をするので、自分の考えをしっかりと持つ
・しかし経験差として、年上部下の得意分野・経歴(事前のヒアリングに基づき)をフル活用してアドバイスを求める(しかし決定は自分が行う)

尊敬・信頼はしつつも、上司であるあなたが常に最終決定権を持ち、その責任を負う、という態度が必用です。

もしかしたら年上部下のアドバイスが間違っているかもしれません。でもそれを選択したのはあなたですから、もちろん最終責任もあなたが負います。
(当たり前のことですが)

 

 

最後に

年上部下は、「自分と自分の経験に敬意を払って欲しい」という気持ちがある、という事を大前提に考えることが必用です。

年上部下とのお付き合いでは日々のコュニケーションが重要です。
年上の部下が素直にあなたの指示に従うかどうかは、日々のコミュニケーションが円滑にとれているかに左右されることが多いからである。

日々のコミュニケーションと言っても、基本は「挨拶」「言葉遣い」「礼儀」などの基本的なビジネスマナー面で対応すればよいだけです。
相手は町内会の年長者であろうと、社内の年上部下であろうと、基本的な年長者に対する配慮した対応をとることがポイントになります。



今日も最後まで読んで頂きありがとうございます。
よい一日でありますように!

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