部下のモチベーションは、マネージメントの度量の大きさで決まる
2019年9月9日 Vol 067
モニターをお願いしている女子社員Sさんからの困りごとの相談をうけました。
彼女がいろいろな手作業をデータ化したり、業務の効率化提案をしても・・上司から「そんなことでなくて、これやってよ」と別の業務を指示されます。
「そんなこと」って大変失礼ですよね~。私は部門方針に従っているだけですから!とイライラがMAX状態です。
今日のテーマは「部下からの提案をどう評価するか?」です。
更にSさんは語ります!
私は今、様々なところで管理されているデータを集約化して、共通データベースに登録され、だれでもいつでも活用できるように整備でいて、それだけでかなりの残業時間を削減でき・・と効果がとても大きいそうです。
さらには、「お客様に求められるニーズに答え・・利益体質を高め・・」と今期方針に書いてあるので、それを忠実に実行しているのに、全くモチベーションが下がっています!!
一生懸命やっているのに・・ 「まずはこれやって!」と業務提案に全く耳を傾けないだけでなく、私の説明を全く理解していない、とのこと。
そこでSさんのお話をすべて聴いてから、私より下記のお話をさせてもらいました。
結論としては、
① Sさんに対して:上司に対する怒りのエネルギーを、上司によりわかってもらえるように工夫するためのエネルギーに切り替える(大切なエネルギーを怒りに使用してはもったいない)
② 上司にたいして:若手とはジェネレーションギャップがあるので、まずはじっくりと聞いて、若手の考えを理解する必要がある、
ということです。
私も経験ありますが、特に新しい提案で、自分がその分野について専門家でない場合、判断基準がわからず、決定をあと倒し+後回しにするケースがままあります。(又は後回しにしたくなる気持ち、あります)
そんな時に思い出すのが、ある新製品提案に対する最終評価会で、最終決定者はなにを基準に判断すべきか? についてお話を聞いたことがあります。
その方(ある製造業の社長さん)曰く、
1、製品コンセプトが会社方針に合致している(これはほぼ問題ない)
2、自分の感性を満足させ、そこにプラスの驚きがあるか?
3、提案者の熱意(圧)を感じるか?(特に提案者の世代が異なる場合)
その社長さんが経験した実際例ですが(上記3)、ある若手グループが製品提案をしてきました。市場調査は良いのですが、その結果の商品のスタイルがおかしい(社長の感性に合わない)のでNG判断。
次回の評価会で同じ若手提案者が、異なったアプローチで調査した結果、同じ商品提案をしてきたそうです。もちろんNG
もうこれで提案者もこの企画を没として、新商品企画を持ってくるか? と思いきや、3回目は一部メンバーを変えて、かつ違うアプローチをしたが、結果は同じ商品企画となったそうです。
評価会で彼らを見渡すと、全員モチベーションMAX状態で、ギラギラしていたとのことです。
そのとき社長さんは、「全く懲りないメンバーだ、と思いつつ、ふと一つの不安がよぎったそうです」それは「私の感性は正しいのだろうか? もし若手の感性(商品企画の内容)が正しかったら??」と思い、評価としては「根負けでGO」としたそうです。
その結果、その商品は大ヒットし、今もロングセラーとして販売されています(製品発売は1996年です)
そのお話を聞いて私が思ったことは
①本当に自分のアイデアが最高だと思ったら、その企画を何度を何度も(3回?)提案し続ける
②評価者は自分の感性を信じて決断するが、提案者の情熱・圧を感じたら、自分の感性を疑ってみる
という二つです。
Sさんのケースに戻ると、部門方針に従って新しい業務の改善をしているのですが、評価者(上司)の感性に合わないのか? Sさんの提案内容がぱっとしないのか? 上司の感性が古いのか? は私にはわかりません。
ただ、一回のみの提案で終わらせるのはとても残念なので、ぜひ別の方法で提案したらどうですか? とお勧めしました。(具体的は別の方法は別の機会に紹介します)
Sさんは虎視眈々と次の機会を狙っています!
この内容に関して、追加ですが・・
女子プロゴルフで全英オープンで優勝した渋野日向子さんですが、その中継の際、女子プロ協会顧問の樋口久子さんがコメントしていました。
笑顔をみせながら駄菓子を食べる渋野を「新人類。こんな選手、見たことありません」と驚きの声を挙げた。「昔は『白い歯なんかみせるな。真面目にやれ!!』と怒られたものですが、私たちの時代とは違うから。今はそういう時代なんじゃないですかね」
新人類という言葉は渋野さんに当てはまるか?は疑問ありますが・・
①私たちの時代とは違うから。
②今はそういう時代なんじゃないですかね
と自分の感性との違いを認め、今の若手選手について大きな理解をしています。この、樋口さんは度量が広い方だな、だから女子プロは発展しているのだな~と思いました。
さて、リーダー・経営者の皆さん。今の会社の中心となって日々働いていもらっている部下とは、世代が違います。きっと20歳以上は異なるでしょう。昔は10年ひと昔、今は5年でひと昔ですから、4世代も異なることになります。
考え方・振る舞いが異なること当たり前です。でも会社の方針に合致して、効果・成果が出ている(出る可能性がある)内容であれば、覚悟を決めて、決済GO とすることが、今後の上司の在り方であり、部下にたいして度量の大きさを示すものだと思います。
今日も最後まで読んで頂きありがとうございます。
良い一日でありますように!