人生・キャリアを描き直す
こんにちは! 部下とのお悩み解決専門家、谷口彰です。
人材育成のベテランであるNさんからとても参考になるお話を聞きました。
キーワードは WILL・CAN・MUST。
(ここでは、WILL・CAN・MUSTを下記の理解でお話しています)
Will→やりたいこと(自分の希望)
CAN→いまできること(資格等を含む)
MUST→最低限やらなければならないこと(会社からの指示)
- Will→やりたいこと(自分の希望)
- CAN→いまできること(資格等を含む)
- MUST→最低限やらなければならないこと(会社からの指示)
この3文字は過去に部下に対して使ったことがありましたが、その際は、あまり参考にならないな~と感じていましたが、Nさんのお話は
「最初からWILLを持っている社員は少数派」とのこと。
私も同感でした。そのためWILLから始まる、CAN, MUSTの活用に疑問と使いにくさを感じていました。
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「部下はWILLを持っていない」前提で話した方が現実的ですよ!
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目次
人材育成の当たり前を疑ってみる
社員は「やりたいこと(WILL)」を最初から持っていない
新入社員や転職後直後の社員で、この会社で何をしたいのか?と言う質問に明確な答えを持っている方は少ないです。
「こんなことができたらいいな~」と思っている社員は居ますが、その“できたらいいな~”を実現するためのスキル等(CAN)は何を持っているのか?と確認すると、特に何も用意していな場合がほとんどです。
会社への入社動機と、どんな仕事をしたいか?というおぼろげながらのイメージはあるかもしれません。しかし、実際は志望部署と配属先が違い、門外漢として「ここで何をやりたい」という具体性を持った希望を持つ社員は少ないのが現実ですね。
まずは定例業務(MUST)を通じて、できること(CAN)を増やす
ですから、一般的に新入社員が配属されると、「どんな仕事をしたいのか?」というWILLを確認せずに、
・まずは会社に慣れて
・これが仕事だから
と定例業務をやり続けているが、これでは社員のモチベーションは上がらないですね。
でも、人材育成をきちんと対応するのであれば
人材育成担当者:「WILLは何?」 →新入社員::「まだ明確なものはありません。」
人材育成担当者:「ならこの仕事を手伝ってくれる?(MUST) この仕事をすると、AとBというスキル(CAN)が身について、それはこの部署の基本スキルだから、とてもよいチャンスだと思いますよ。
頑張ってね。」
新入社員:「はい、喜んで対応させていただきます。」
という会話があってしかるべきですね。
結果としては、会社からの仕事(MUST)を提供するわけですが、そのプロセスとしてWILLの存在を教え、それを確認するプロセスを踏むことは、人材育成的にはとても重要な事です。
でも常にやりたいこと(WILL)を確認し続ける
定例業務を日々行い、出来ること(CAN)を増やす過程で大切です。しかしWILLの確認をしなければ、常に同じ業務を続けてしまい‘、CANは増えません。
例えば、今はデータをEXCEL入力をしています。 それだけですか?
常に「次に何をしたいのか? するのか?」を意識することが、定例業務においてでさえ、とても重要になります。
もしエクセルのデータ入力をする仕事であれば・・・
入力を楽にする関数、データベースなどをつくる、ACESSを学びさらにグレードアップする。その過程でデータ共有化のGoogle Driveなどを学ぶなどなど
学びはキリがありません。
その学びを促進するためには、本人によるWILLを常に意識し続ける、という姿勢が非常に大切になります。
新しいサイクルが生まれる
最初はWILL無し、よくあることです。よって、とりあえずMUST仕事をして、CANを増やす。これは一般的に新入社員時の仕事の仕方(与えられ方)ですね。
しかし、WILLが明確にならなくても、その状態からCANの派生を増やし MUSTを効率化していきます。 このあたりから仕事に慣れてきて、自分のWILLが見つかる・・という流れだと思います。
谷口の例ですが、入社3年目に部門プロジェクトに当然参加しました。
なぜ仕事をまだ理解していない私が参加するのか? と最初は疑問に思いましたが、すぐ理解しました。
私の仕事は「書記、ファイル担当(黒板にチョークの時代・・)と小間使い」でした。
その後隙間時間で議事録を読み漁り、わからない箇所を先輩方に聞きまくり・・
CANが増え、次に新たなMUSTをもらい・・さらにCANが増え、最後に自分の意志が入った(WILL)プロジェクトを担当することができた、というWILL・CAN・MUST話です。
「強い意志を持ったWILL」がないと埋もれる
MUST先行からWILL先行への切り替え
会社から与えられた仕事(MUST)から始まるサラリーマン生活ですが、そろそろWILLを明確にしないと、会社の中で埋もれます。
部下が業務推進に邁進していても、あえて、「これから何をしたいのか?」と常にWILLを確認する機会を部下と持つことが大事です。
部下はすでにWILL・CAN・MUSTのサイクルを数回経験しているのですから、上司は部下と一緒にMUSTを振り返り、同時に今のCANを確認し、WILLを立ててみましょう。
WILLを決めると必要なCANが見えてくる
部下がWILLを見つけられたら、次はそれに伴うCANはなにか? を探してみます。
部下一人では見つからない場合は、上司がアドバイスして、必要なCANリストを作り、それを今後いかに、どこから得るか? を明確にしてあげることで、部下は次のステージに向かっていきます。
私の過去の経験では、部下が自分でWILLを考えた時から、あとは放置(笑)しても自動運転のように部下は自分でキャリアを上っていけますね。
今後のキャリアは社内の「個人事業主」を、目指せ
変な表現ですが、社内で尖がったWILLとCANを持ち、常に組織で役立つ仕事をしているか? を意識していないと、仕事はAIで自動化されるか? コストの安い外注に流れていきます。
個人事業主は、自分で生計を立てるので、常にお客様のニーズを把握し、それを実現するために、できること(CAN)を増やし続けています。
サラリーマンは気楽は職業ですから、尖がったCANがなくても、強い意志に基づいたWILLがなくても、当面の雇用は守られます。
しかし、今グローバルで危機が続き、景気に不透明感が残ります。
さらに、産業界ではすでに「副業解禁、終身雇用制の崩壊(制度疲労)」と言われています。
真に部下の育成を考えるのであれば、社内における「個人事業主」を勧め続けることです。
最後に
部下への人材育成としてWILL、CAN、MUSTの例を説明しましたが、やはり強いWILLを持ち続けることが今の時代は大切です。
部下へのWILLを常に確認し続けることは大切ですが、マネージャー、所長、店長、経営者さんご自身のWILLはもちろん強い意志で明確になっていますか?
皆さんは、企業内の個人事業主として、生き抜くことができる立派はお手本ですか? という質問を皆さんに投げて・・終わります。