そりが合わない上司と仕事を続ける方法
多様化人財対応の専門家 谷口彰です。
昔プロジェクトで一緒のチームだった、Tさんからメールをもらいました。
今の上司とそりが合わなくて悩んでいます。
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今の上司と合わなくて困っています。
今は「合わない」というよりも「苦手意識」が強くなってきています。
まだまだこの上司の元で働くんだな~ と思うと憂鬱でたまりません・・
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私も長年サラリーマンを経験し、何人もの上司と一緒に仕事をしてきましたので、Tさんが言っていることは良くわかります。
そこで、私からのアドバイスは、
「上司とあわないのは当たり前なので、きちんと対策をしましょう」
です。
目次
上司と合わないのは当たり前
50%以上の上司とは合わない
私の過去の経験からすると、50%以上の上司とは合わなかったです。
つまり、50%の上司は強いストレスを感じるほど合わなく、残りの50%は一部は合わなかったが、あまり強いストレスを感じるほどではなかった(いわば普通の状態)、という意味です。
上司100人いれば、人格・価値観も100通りですから、あなたと「100%合う」という人は稀でしょう。
つまり、「あなたとすべてが合う」そんな上司は居ない!と断言できます。
例えば、あなたは親と100%合いますか? 血が繋がって一緒に長く暮らしていたとしても、多少なり、合わないところがあるでしょう。
ですから、合う上司と巡り合いたい、と考えるほうが難しいと思います。
部下は上司を選らべない、上司も部下を選べない。
あなたは上司と合わない、と思っていますが、上司もそんなあなたを見て、私と合わない部下だ・・と嘆いているかもしれません。
組織では定期的なジョブローテーションがあるので、その際に、上司と部下の相性を見ながら組み合わせを考える、などのことはほとんどされていません。
ですから、いつも会わない上司、合う上司との組み合わせが発生し、それが繰り返されます。それが組織運営ですから。
可能な対応は3つのみ
上司と合わない、とお悩みの場合、考えられる対応選択肢は3つです。
- 上司に合わせる
- その組織での活躍を(当面その上司がいる期間は)諦めて、傍観者的立場で過ごす
- その組織を辞めて、別の組織に移る(退職、転職など)
です。
どれを選びますか?
2、3は、かなりの決心が必要で、影響も大きいです。
まずは、1の上司に合わせる を試してみて、それでも問題解決しないのであれば、2,3の選択肢に進むことをお勧めします。
なぜなら・・・
2を選んだ場合、数年後?に合わない上司が去り、次に来る上司がどんな上司か? の保証がないからです。よい上司が来るのか? また合わない上司が来るのか?
私の経験では50%が合わない上司ですから・・ 大きな賭けとなります。
3を選んだ場合、次の組織でも、合う上司と出会える可能性は100%ではありません。つまり、いつでも・どこでも合わない上司は居るものです。
上司に合わせると決めたら、これをする!
上司を観察する
あなたにとって、合わない上司ですが、何かの理由があり、チームリーダー、管理職などに選出されました。つまり、会社としては、彼・彼女を評価するポイントがあったわけです。
その上司はなぜ、昇格したのか? どんな人なのか? プライベートでは何をしているのか? など今までは合わない上司として、避けていた存在から、敢えて「観察対象」として「毎日上司の良いところを2つみつけてノートに書く」ことを継続します。
同じ事を書いてはいけません。必ず違う事を書き続けます。最低1か月は継続が必要です。
いままで合わなくて避けてきた上司ですが、今日から観察するなんて・・と嘆いてるかもしれませんが、嫌な面を逆に良い面に替えればいいのです。
- 体育会系的な大声が嫌い ⇒ 毎朝大きな声できちんと挨拶をしている。
- 趣味の悪い色のジャケットを持っている ⇒ 個性豊かで特徴的なジャケットを持っている
などなど。
それを毎日継続します。
2週間程度はどうにか見つけられると思いますが、その後は表面的・外見的なものだけでは、毎日2個の良いところは見つかりません。
ですから、もっと繊細な観察が必要となります。
- ゴリゴリと一方的に仕事を進めるやり方が嫌 ⇒ 1日も早く成果を出すために先頭に立っている
- 体育会的な飲み会が嫌 ⇒ 仕事の目途がたつと、慰労のための飲み会を主催する気遣いがある。
- 指示内容が不明確 ⇒ 相手の理解度を把握せずに説明するので、言葉足らずとなるが、実は自分では十分に理解していることがわかった。
- 会社人間(ライフワークバランスなど無視)にしか見えない ⇒ 噂だと日曜日は、こどもを肩車して買物しているなど、実は子煩悩らしい。さらに携帯の待ち受けが家族の写真であり、ちょっと驚き+見直す
などなど、本当に探し始めると(探偵ごっこのようですが)今まで気づかなかった「素の上司」が見つかります。
上司を理解する
どうでしょうか!! 今まで遠い存在だった上司が、すこし身近に感じませんか?
相手の性格とか価値観が分かってくると、なぜこんな指示をするのか? と今まで憤慨していたあなたは、その理由が分かり始め、そこから相手に対する「理解」が始まり、「ああ~なるほど。この指示・態度はあの考え方や価値観にもとづいているんだな!」と分かってきます。
そうなれば、この上司は悪い人ではないかも? との理解が進み、最後は「案外良い人かも」まで思えるようになってきます。
人間の「慣れ」は恐いです。どんなものでも、ある一定期間、身近な存在とすると、本当に身近に感じてきます。
さらに、話をする機会があれば、以前の苦手意識・そりが合わない、の感覚はとても少なくなっているはずです。
傍観者となっても、これをやってはいけません
今までは選択肢1の「上司に合わせる」の説明でしたが、あなたの選択が2の「傍観者になる」のであれば、2つのアドバイスをします。
上司への仕返し(反抗的な態度)
むかつく上司なので、ちょっと仕返しをする、と敢えて反抗的な態度を取って、上司を困らせる人が居ますが、それをやると、あなたは社内で大きな問題を抱えます。
それは、管理職の間で、あなたは「仕事をせず、仕事もできずに反抗的」という噂が出て、次に良い上司が来たとしても、その先入観の為に、「おいしい」仕事が回ってこなくなる可能性大です。
ですからもし傍観者となるのであれば、「目立たない傍観者」をめざしてください。
上司の陰口を言いふらす
上司と合わないと、一生懸命上司を攻撃する目的で悪口を言いふらす人がいます。
これは目立たない傍観者ではなく、目立つ傍観者ですね。
基本的に、上司と合う、合わないは個人の問題です。例外的にはパワハラ・セクハラなど排除されるべき上司もいますが・・
ですから、私の上司は○○で・・と言ったところで、詳しい事情を知らない人は
- 何か問題がある人なのだろうか~
- あの人は失敗でもしたか、仕事ができないんだろうな~
- 人の悪口はあまり聞きたくないね~
などと、あなたにとって肯定的・好意的な反応は少ないです。
なぜなら、必ずしも上司が100%悪い、という可能性は少なく、多少なりとも部下にも責任がある場合が多いからです
それを一方的に、上司が悪い、と陰口を言うと、逆に、仕事のできないのに上司批判しかしない、という陰口を言われる可能性があります。
最後に
やはり組織で働く際に理解すべきことは
上司は部下を選べない。そして部下も上司を選べない。 という状況です。
それをしっかりと理解すれば、(特別な期待などを持たずに)現実的に「その今の上司」とどう合わせるかを具体的に考えるべきです。
あくまで組織で働く(一人ボッチで働く以外)以上、例えあなたが上司になったとしても、今度は「合わない部下」が登場します。
などのように、人間関係はどこでも発生し、100%うまくいく人間関係は「ほぼなし」と断言します。
ですから、今の状況を嘆いても解決はないので、敢えて合わない上司を徹底的に観察して、上司を理解することが、現在対応できる方法だと思います。
是非、ノート片手に、上司を観察し続けて、上司のよき理解者となって、チームの盛り上げ役として、活躍してください。
期待しています!!
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