何故こんなに働いても上司に評価されず、報われないのか?
先日、日本で一緒に働いていたWさんから電話をもらいました。
現在の上司の元でかなりガムシャラに働いている、とのことでしたが、
ボーナス評定が、自分の期待している評価ではなく低かった、と嘆いていました。
Wさんは40歳前半、次世代のマネジメント候補として頑張っている中堅社員です。
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いくら働いても、残業しても、休日出勤対応しても、上司から評価されないんです。
ボーナス評定も低かったです・・
このままでは4月の昇級も期待できないです・・
なぜ私は報われないのでしょうか?
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私は、Wさんに「相手を理解して、そのツボにはまった仕事をしないと、評価されませんよ。
特に、上司はWさんを、次世代マネジメントとして評価するので、厳しいですよ!」と伝えました。
目次
上司に評価されない理由
上司の関心に沿っていない
仕事の評価は、一般的には利益を上げる、効率化を実行する、完璧な資料を作成する、など様々な観点はありますが、どれも正解であり、でもどれも正解でもありません。
正解はあなたの上司が持っています。上司が異なればその評価基準は違います。
個人の好き嫌いはあるかもしれませんが・・一番大きな「上司が評価するポイント」は、
「上司である私の指示にしたがっているか?」
「上司である私の関心事項を考慮して対応しているか?」
に尽きます。
上司が利益を上げることを最重要課題としていれば、利益が評価ポイントでしょう。
粗利率は良いのですが、人件費の多さが課題であれば、業務の効率化がポイントでしょう。
組織のトップへの報告資料であれば、それなりに体裁を整える必要がありますが、
もし評価が内部であれば、体裁を整える前に、資料作成を依頼した上司がどのレベルでの
資料を求めているのか? を明確にする必要があります。
上司10人いれば、それぞれの判断基準は10通りあります。
例えば、上司の関心事項は、 きっと利益と効率化に違いない、とあなたは思っていたとしても、実際は上司の関心事項は別のポイントにあるかもしれません。
なぜなら、 上司は「その上司」の関心事項を注意深く探り、 日々対応をしているので、当然部下にも同様の対応を求めるからです。
仕事中心で「人マネジメント」をないがしろにしている
よくある風景ですが、 若手エースであっても、周囲に仕事をさせて、すべて自分の成果のようにしている、とか、チームで仕事をしており、チーム評価は高いが、でもそのエースが周囲から人望が全くない。
仕事は出来るが、人関連のマネジメント(周囲とよい関係性を保つ)が出来ない人が居ます。
会社は組織で動きますから、組織(チーム)をまとめられない人は、当然評価対象外となります。
ある程度仕事ができて、若手から中堅になると、評価ポイントが「仕事のみ」から、「仕事+人マネジメント」と、少しずつ「人」の比重が大きくなってきます。
いくら優秀な社員でも、一人で頑張っても勤務時間は8時間+残業3時間=11時間しかありませんが、、部下3人をマネジメント出来れば、8時間x3人=24時間と比較できないすごい時間が手に入ります。
ですから、「人」は評価のうえで、重要なポイントになります。
部下の上司に対する承認欲求が強すぎる
よく見かける風景ですが、「課長、私こんな資料をつくりました。是非お時間もらって説明したいのですが!」と自分の成果を売り込み、その結果を評価してもらいたい、という部下がいます。
正直、そんなに頑張ってくれる部下が居ることが嬉しいですし、部下全員がそんなになってもらったら、組織はどんなに活性化するでしょうか?
しかし、実際は、「私はこんなにがんばっているのでもっと認めてください」という承認欲求は、少々手に余ります。新入社員であれば、まだ組織に慣れずにいるので、手取り足取りサポートし、モチベーションを上げることに注力します。
が、中堅ともなると、あくまでの評価基準は「次世代リーダーとして」が枕詞となりますので、そこでいつも「私が!私が!」のメッセージだけでは、組織が息苦しくなります。
上司は、この部下は将来同僚として一緒に 働けるか? の視点でみているので、将来、同僚から「私が!」と言われても引いてしまいますね。
この若手がおもしろい資料を作ったので、お話を聞いてもらえませんか? と若手の教育の一環として話を聞くことは全く問題なく、逆に次々世代の若手を知ることになるので、楽しい時間となります。
自分のキャパ以上の仕事を受けて、アップアップしている
業務を頑張ることは大切です。が組織で動く以上、日程管理や仕事の割り振りがきちんとできることも大切ですね。
ですから、徹夜で頑張りました!と言われても、なぜそれを事前にチーム対応できるように指示できなかったのか? を疑問に思います。
次世代リーダーは、いかにチームで成果を上げることが出来るか? が一番の評価ポイントとなり、それが将来の昇級・昇格の重要考査ポイントとなります。
別の部門の話ですが、ある部下が一生懸命遅くまで残り仕事をしていました。そのことをその部門長に話したら、「彼は仕事をチームに振ることができない。すべて自分が目を通さないと気が済まない・つまりチームプレイが出来ないたちでね・・
だから、当面、仕事ができる中堅として頑張ってもらうけど、昇格推薦はできないな・・との雑談を思い出しました。
どうやったら上司から評価されるか?
上司は自分の後任は誰が適任か? の視点で部下を評価している
組織で定期的に議論されるのは、各部門の後任はだれか?(不在の時の代行者を含めて)です。
組織は安定的に発展することがもとめられるので、マネジメントチームがつねに一定のレベルに保たれるには、どこのポジジョンが手薄で・・どこが要員が多めで・・などが議論されます。
その議論に名前が上がると、管理職の会議では、次世代マネジメントと認められますが、そうなると要求内容がさらに高まります。
部下としてきちんと仕事を仕上げるなどの対応しているか? というレベルから、同僚として一緒にはたらきたい、と思うかです。
ですから仕事はきちんと対応するが、周囲へのサポートがない、とか
人マネジメントが不得意で、チーム内で人望がない、とか
行動に裏表があり、上司がいると精魂詰めるが、居ないとブラブラしている、とか
単なる成果のみならず、同僚として一緒に働いて苦楽を共にすることができるか? という視点に変わるので、さらに高いレベルが求められます。
Doing は大事だが、Being がより重要な評価ポイントとなっている
会社は冷淡です。新入社員時は、仕事をしろ! 成果を出せ! 数字が大事だ! と言い続け、ある年齢になると、仕事だけでなく、人マネジメントが出来なければダメだ! と突き放します。
それをはっきりと、あなたは今年から「人」が評価ポイントになります、とは言ってもらえず、「そんなことはわかるはずだから・・」の一言で済ましています。
ですから、いずれ人マネジメントが評価対象となるのであれば、今から(読者の方の今の年齢)人マネジメントに興味を持ち、学び始めれば、「人」が評価ポイントに加わったとしても、日々実践してれば、全く焦ることはありません。
最初から高い評価を得ることが出来、かつ、人マネジメントが出来る上司の部下は日々ストレスのない幸せが人生が送れるはずです。
人マネジメントは、(当たり前ですが・・)人が対象です。ですから「マネジメントとは?」の概略・概論を理解したとしても、相手は100人いれば100通りの方法が求められます。
ですから習得するのに時間がかかります。具体的には部下それぞれの事情・キャラを把握し、それぞれに適切な業務を考えて提供し、その後各々が実務を通じて、遣り甲斐を感じているのか? の確認と業務調整などが上司に本当に求められている業務となります。
ここまで「なぜWさんは上司に評価されないか?」について説明してきました。
まとめ
これらの「上司視点の評価」にどう対応したらよいか?ですが・・
やはり直属の上司とよい関係性を保ち、上司はどんな関心事項を持ち、どんは行動パターンを持ち、どんなキーワードに反応するのか?
特に、昼食などを一緒に取る(為に、上司の行動パターンを観察する)
(食事時は、上司はリラックスしているので、割と本音がポンポンでてきますよ!)
どんな本を読んでいるのか?
どんな会合・セミナーなどに参加しているのか?
などは上司の考え方を知るには大きなヒントとなります。
自分は上司視点から、次世代マネジメントチームとして何を求められているのか?
などを日々の会話から探りつつ、適切な対応をし続けることが一番の対応となります。
ここまで読んで・・そこまで上司対応するの? と思われる方がいるかもしれませんが
好きな彼・彼女が出来たら、どうされましたか?
好みの食べ物、雑誌、映画などなどを調べて、話のきっかけを作ろうとしませんでしたか?
「上司対応」も「好きな子」 も基本は同じです。
相手の興味に興味を持つことです。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
よい1日をお過ごしください。
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