読後感想文『宙わたる教室』
はじめに
伊与原新さんの『藍を継ぐ海』を読んだ後、ネット検索で「伊与原さんが地球惑星科学を専攻したので、『宙わたる教室』も面白い!」という情報を見つけました。早速興味津々で手に取りました。

物語の魅力
科学をテーマにした作品ということで、どのような物語なのかとワクワクしながら読み進めました。
私は都立高校に通っていたこともあり、定時制の生徒との交流はほとんどありませんでした。そのため、この本を通じて定時制高校の実態や生徒たちの姿を知ることができ、新たな視点を得ることができました。
物語は、大阪の定時制高校で科学部が設立され、生徒たちが実験を重ねて評価を得るという展開をたどります。 その過程で、顧問の先生が生徒それぞれの特性を見抜き、彼らが得意なことに熱中できる環境を作り上げる姿に感銘を受けました。
得意分野を見つけ、活かすことの大切さ
この先生の指導法は、単に知識を教えるだけでなく、個々の生徒が持つ可能性を引き出すことに重点を置いており、教育の本質を考えさせられるものでした。
人には得意不得意があります。しかし自分では不得意なことばかり気になり、ネガティブな気持ちになってしまうことが多いです。
一方で、得意なことは「自分にとって当たり前」と思ってしまい、それが特別な才能であると気づかないこともあります。
そのため、自分の強みを見出し、それを活かすことができる環境が整っていることが、どれほど重要かを改めて実感しました。
環境が才能を引き出す
『宙わたる教室』の中で描かれる生徒たちは、それぞれ違った個性や背景を持っています。
そんな彼らが科学部という場に集まり、試行錯誤しながら実験を行うことで、自分たちの得意分野を発揮する機会を得ました。
その結果、大きな成果を上げ、彼ら自身の成長にもつながっていきます。
このようなプロセスは、学校に限らず、社会や組織においても重要なことだと感じました。
組織の中で自分の強みを知り、それを発揮できる環境があれば、人はもっと自信を持ち、能力を最大限に活かすことができます。
そうした環境の中では、お互いに得意分野を活かし合い、より大きな成果を生み出すことができるでしょう。
作品から得た気づき
この作品を読んで、自分の強みを活かすことの大切さを再認識しました。
普段は気づかずにいる自分の得意分野を見つめ直し、それを活かすことで、より充実した人生を送れるのではないかと感じました。
『宙わたる教室』は、単なる青春物語ではなく、人が持つ可能性や、環境の影響によって才能が開花することの素晴らしさを教えてくれる作品でした。