“支援ではなく仕事”という選択:Big Issueと私の小さな再接点
はじめに──御茶ノ水で出会った一冊
目次
先日、御茶ノ水駅の近くで『Big Issue(ビッグイシュー)』を販売している方を見かけました。

以前は通勤路で見かける販売者の方から頻繁に購入していたのですが、最近は足が遠のいており、本当に久しぶりの購入でした。
手渡された冊子は変わらず丁寧に作られていて、ページをめくるうちに「そういえば、Big Issueの仕組みはよくできている」と再確認したのです。
Big Issueの仕組みはなぜ優れているのか
数年前、姪っ子のAさんに教えてもらった話があります。
Big Issueの販売者が収入を得る仕組みは、とてもシンプルでありながら、自立を後押しする工夫が詰まっています。
最初に10冊を無償で受け取る
それを1冊500円で販売し、5,000円が販売者の初期原資になる
以後は1冊250円で仕入れ、500円で販売する
1冊あたり250円が利益となる
対象は、ホームレス状態にある人、自分の住まいを持たない人、または生活に困窮している人です。
「与える支援」ではなく、「働いて収入を得る」という社会参加の仕組みになっている点が画期的で、Aさんに話を聞いたとき、とても感銘を受けたことを覚えています。
実際に500円で冊子を買うので、そこは単純にビジネス化しており、寄付とか恵むということではありません。
対等な立場での商売です。
世界で生まれ、日本に広がった流れ
Big Issueは1991年、ロンドンで誕生しました。ホームレスの人たちが合法的な収入を得られる機会と、社会との接点をつくることを目的にスタートした活動です。
日本には2003年9月から導入され、街中でも赤いベストを着た販売者の方を見かけるようになりました。
この取り組みが20年以上続いていることは、一定の成果と社会的な必要性があるからに他なりません。
販売者は「働く人」としてそこに立つ
今回あらためて感じたのは、販売者の立ち居振る舞いがとても丁寧で、一般の販売員と何ら変わらないということです。
実は販売者には 行動規範(コード・オブ・コンダクト) が設けられており、ルールに基づいて販売を行います。そこにあるのは「受け取る側の支援」ではなく、「売る側の仕事」としての緊張感と誇りです。
冊子を手渡された瞬間、こちらも自然と「買わせていただく」という気持ちになるのは、この姿勢ゆえかもしれません。
再び手にした一冊が教えてくれたこと
久しぶりにBig Issueを購入したことで、改めて気づいたことがあります。
社会には、自分の知らないところで努力を続けている人がいる
小さな一冊にも、人の自立を支える仕組みが隠れている
買うという「選択」が、誰かの働く機会につながっている
支援というよりも、対等な“やり取り”として成立する心地よさ。
これは、Big Issueならではの空気だと感じます。
おわりに──社会とのつながりを思い出す
Big Issueは、単なる雑誌ではなく、誰かの人生の再スタートを支えるプラットフォームです。
久しぶりに買った一冊は、そのことを静かに思い出させてくれました。
これからも、街で見かけた際には、また手に取ってみようと思います。
皆さんも是非!

