年功序列はすでに崩壊している! だから何をすべき?
2019年8月30日 VOL.63
年功序列ってまだ存在するのでしょうか? と30歳半ばの若手・次期リーダーの方から相談をもらいました。
その理由を聞くと、50歳台の先輩社員を見ていると、実力がないのに役職についている。
それなりに経験は長いが、それだけで明らかに手を抜いている方が目に付くとのこと
もちろん、定年間近の方々でも、最後までしっかりと業務を全うしようとする方は居られますが、それは少数派。
自分が多忙でバタバタしているので、なぜあの人達は楽をして私より給与が多いのだろうか?
給与泥棒だ! と思いイライラするときが多くなってきている、とのこと。
今日のテーマは「年功序列はすでに崩壊している。で何をすべきか?」です。
結論からすると、「年功序列は崩壊していますよ」とお伝えしました。
まず会社視点からすると、年功序列のメリットはすでに無くなっています。その理由は・・
年功序列は高コスト体質
日本がまだ高度成長期の頃、黙っていても真面目に日々を過ごせば給与は毎年アップする素晴らしい時代でした。
ですから敢えて何かにチャレンジする必要なく、また敢えて転職しなくても良い給与がもらえました。
当時は、ほぼ転職が少ない時代でしたので、逆に転職しても給与が下がるケースもあり、みな転職はしない時代。
特に新卒入社から定年まで過ごす社員が多い中、転職組(途中入社組)は異物的にみられる場合もあり、本当のスーパー転職組社員のみが昇給・昇格ができる時代でした。
しかし、日本が低成長時代になり、入社年次だけで給与が上がる時代ではすでに過去のものです。
もしそれを続ければ、給与が高い高コスト体質となり、企業としては経営が成り立たなくなります。
年功序列は考え方が固定的で新しい対応が遅い
入社してから同じ顔触れで仕事をしているのでチームワークが良い(はずです)
さらに、一部の方は「あの人はライバル」として競うでしょうが、基本入社「年次」という同期入社の考え方があり、年次の中では競うが、年次の先輩は立てる文化があります。
「年次」がなによりも大切な時代でした。
少し脱線しますが、以前仕事で大手商社さんと協業することになりました。
両者顔合わせの際、商社さんの上司の方が弊社の上司に
何歳ですか?
ああ、私の3歳年下ですね
こちらのメンバーは彼が〇歳、彼が△際・・と年齢の説明をされたときは、「年次がすべての会社だ・・」と少々驚いたことがありました。
さて、いつも同じ顔触れ・仲良しチームなので、いつも同じ業務をきちんとやり続けることで給与は上りますから、特に新しいアイデアは必要なく、思考は停止しています。
そんな固定的な組織・動かない思考回路状態なので、新しい知恵や考えが出てこない。
ですからVUCA(激動・不確実性・複雑性・不透明性)の時代と言われる今、年功序列で形成された組織ではなにも対応できないです。
よって外部からコンサルタントを呼んで、いかに組織に変化を与えるか、中途入社社員を増やして、同質人材から異質人財を増やしてに対応に対応する。
会社としても組織改革に必死で対応しているのが現状です。
今は変化への対応力を求められています。
人財視点として年功序列の問題点
年功序列で競争せず・学ばない上司が発生する。
ある意味将来が見えるので安心だが、ガツガツ仕事する優秀社員としては、全くやる気が起こらない状態。
仕事では評価されず年次でしか評価されない文化なので、優秀社員は退職するしかありませんね
つまり無能社員が増えて、会社にぶら下がり、有能社員が去っていく=それが「年功序列」制度です。
また、年次に沿っていれば、数年置きに昇格がある「良い」制度だったので、キャリアアップを考える必要のない組織です。
だから年功序列を重んじている会社は、すでに時代遅れて変化対応できず危ないです。
ただ、一気に人事制度を変えられない会社があるでしょうから、50歳台は最後の年功序列世代かもしれませんね。
40歳台以下は、多少年功序列的制度が残りつつも、成果主義が中心になる組織運営に手着しています。
今後は同期とか、何歳で課長で何歳で部長、突如中途社員が上司となる時代です。
ですから最初の質問への私の答えですが、
「年功序列は(ほぼ)崩壊していますので安心してください」
そして質問をもらった30歳半ばの若手リーダーに一つ質問をしました。
ネット世代のあなたであれば、年功序列がほぼ崩壊しているのはわかっているはず!
その奥にある質問は、年功序列の崩壊後は、私は何をすればいいのでしょうか、ではありませんか?
年功序列が無い現在は、だれでも優秀は人財が昇給・昇格して、組織を運営します。それは年齢に関係なく全員が競争の時代なので
「今のあなたは今後の競争に追随できますか? 勝てますか?」
「今のあなたは今後の競争に追随できますか? 勝てますか?」が私からの質問です。
ある分野の専門家になるには10万時間が必要とされています。1日8時間でフルに専門性を磨いて最低5年(実際はもっと時間が必要となります)
で、「あなたの強みは何ですか?」
つまり30歳半ばであれば3つ(もしくは2つ)の分野のプロにはなっているはず。そのプロ領域をしっかりと認識していますか? 自信をもって、「私は○○のプロフェッショナルです」と言えますね!
では今、あなたはどの分野の専門性を高めたらよいでしょうか?
一般的に30歳台後半から管理職となりマネージメント・リーダーになっていきますが、そのためのスキルと心構えは十分ですか?
業務成果を上げるには技術的・Doingが必要となりますが、組織をまとめるには人間性・Being、つまりその人そのものが部下から尊敬され、慕われるか、がカギとなります。
技術的・Doingは評価しやすいが、人間性・Beingは自己評価が難しい(自分を自分自身で客観的に評価することは難しいですから)
さらには一人ひとりで個性差があるので、人間性Beingを高めるにはプロの助言で第三者的な評価が必要となります。
今後は管理職・リーダーをめざすので、人間性・Beingのプロになる、と思われた方は、こちらまでご連絡ください。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
よい一日をお過ごしください。