生理用品のアクセス問題と社会の変革:三重県議の訴えと映画『パッドマン』に学ぶ

はじめに

2025年3月、三重県の吉田紋華県議がSNSに投稿した内容が議論を呼びました。

突然の生理で津市役所のトイレに生理用ナプキンがなかったことを訴え、公共施設に無償で生理用ナプキンを設置すべきだと提案しました。

この提案に対して賛否が巻き起こりました。

この記事は、この投稿内容の賛否に対するものではありません。
この件を機に谷口が過去に見た映画を思い出したので、今回の事象と映画の関連性について考えをまとめてみました。

映画『パッドマン 5億人の女性を救った男』のあらすじ

映画『パッドマン 5億人の女性を救った男』は、インドの男性ラジクマール・バルマンの実話を基にした物語です。

ラジクマールは、インドの村で生活する妻が生理中に直面する問題に衝撃を受けました。 
インドの多くの女性は、貧困のために生理用品を購入できず、布や新聞紙などを代用していました。これにより、衛生状態が悪化し、感染症や健康問題が広がっていました。

ラジクマールは、これらの問題を解決するため、安価で衛生的な生理用品を自ら作り始めます。

最初は村人たちからも理解されず、嘲笑されることもありましたが、彼は諦めることなく、妻のために、そして多くの女性たちのために生理用品を作り続けました。

当初は妻からも「世間体が悪いから、この仕事をやめてもらいたい」と言われたようです。

やがて、ラジクマールの活動は社会に広まり、彼はインド全土の貧困層の女性たちに安価な生理用品を提供することに成功します。最終的にラジクマールは「パッドマン」と呼ばれるようになり、その功績は広く評価されました。

主人公のラジクマールはメンタルが強いです。
周囲からどんなに強い非難を浴びても、「これが正しい」「女性(妻)のためにこれが必要」という強い想いの実現に邁進していく姿は、家族愛を感じる強い行動です。

彼の行動は、性別に関係なく、どれだけ他人の困難に共感し、解決策を提供することができるかを示しています。

映画は、単に生理用品を提供するという物語だけではなく、文化的な壁や女性に対する偏見、さらには無知からくる社会的障害に立ち向かうラジクマールの姿勢を描いています。

生理は女性だけの問題ではなく、社会全体で解決すべき課題だという強いメッセージを映画は発信しています。

映画のメッセージと社会への影響

『パッドマン 5億人の女性を救った男』の物語は、ただの製品開発の話ではなく、深い社会的な影響を与えるものでした。

ラジクマールが生理用品を作る過程で直面した最大の問題は、社会の無理解と偏見でした。
特に、男性であるラジクマールが女性の生理に関わることに対する抵抗が強かったことです。

しかし、彼はその反発に屈せず、最終的には社会に変化をもたらしました。
この映画は、性別や文化を越えて、誰もが平等に生理用品を手に入れるべきだという社会的メッセージを強く伝えています。

ラジクマールの行動は、男性が生理に対して積極的に関与することで社会全体が変わる可能性を示しています。

日本でも、女性だけがこの問題に立ち向かうのではなく、男性も積極的に理解を深め、行動することが必要です。生理は「女性の問題」ではなく、社会全体の問題であることを認識し、共に解決策を考える時期に来ているのです。

日本社会に求められる変化

吉田県議の訴えに対する反応を見ていると、日本でも、生理の扱いについては、依然として様々な議論が必要であることがわかります。

ラジクマールが映画で示したように、社会全体で生理の問題に向き合い、支援することが求められます。
例えば、政府や自治体が生理用品を無料で提供する制度を整えること、企業が女性社員に対して生理用品を提供することなどが重要です。さらに、学校や職場で生理に関する教育を充実させ、性別を問わず全員がこの問題に対して理解を深めることが必要です。

まとめ

三重県議の生理用ナプキン設置訴えをきっかけに、日本社会で生理についての認識を変えていくためには、より多くの人々がこの問題に関心を持ち、行動することが必要です。

『パッドマン 5億人の女性を救った男』の映画のように、性別に関わらず誰もが生理の問題に関与し、解決策を考えることが、社会全体の変化を促す鍵となります。

日本社会も、まずは生理に対する偏見をなくし、全員が平等に生理用品を手に入れられる社会を目指して、積極的に取り組んでいくべきです。

その視点としては、今回の三重県議のSNS投稿は社会に議論する機会を与えてくれた貴重な内容、と思います。

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