【特定技能支援の現場から】【木村泰子さん講演会レポート】「普通」って何?子どもが「自律」できる環境の作り方

「普通」とは何か?違いをどう捉えるか

先日、大阪市立大空小学校の初代校長である木村泰子さんの講演会を視聴しました。
大空小学校は、支援を要すると言われる子どもたちも同じ場でともに学び、育ち合う教育を具現化した公立の小学校です。

木村泰子さん講演会(2025.8.11) ~『Be Yourself ~自分らしく生きる』

「普通って何だろう?」

講演を聞きながら、何度も自分に問いかけることになりました。

私たちは無意識のうちに「普通」を基準にし、そこから外れるものを「特別」と呼びます。
しかし木村泰子さんは、「普通があるから特別が生まれる」と語ります。

100人いれば100通りの違いがある。それは当たり前のことです。
どれほど重い障害があったとしても、それは「ハンデ」ではなく、その子の個性にすぎない。
学校の役割は、その個性を伸ばし、長所に変えていくことにある。

大人の都合で「特別」という枠に押し込めるのではなく、すべての子どもが共に学べる環境こそが、本当の意味での「普通」なのだと気づかされました。

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本当の「自律」とは何か

教育の現場でよく使われる「自立」という言葉。

しかし、木村さんが大切にしているのは「自律」です。

それは「自分で考え、判断し、決定し、行動する力」。
そしてそのプロセスには、必ず失敗が伴います。

木村さんは「学校は失敗するところ」と言います。
失敗してもやり直せる。その経験が成功体験へと変わっていく。

さらに重要なのは、「適切に依存し合うこと」です。
困ったときに「助けて」と言える力、そして助け合える関係性。
これこそが本当の自律であり、誰一人取り残さない社会の土台になります。

大人の役割は「指導」ではなく「環境づくり」

子ども同士のトラブルを見ると、つい大人は「指導」したくなります。
しかし木村さんは、「指導は一瞬で暴力に変わる」と言い切ります。

例えば、子どもが友だちを叩いてしまったとき。
「叩いてはいけない」と叱るのではなく、「何に困っているの?」と問いかける。

その子が安心して過ごせる環境を整えること。それが大人の役割です。

親が学校に関わるときも同じです。自分の子どもだけを見るのではなく、すべての子どものサポーターになる。困っている子にそっと寄り添うだけでいい。

子どもは本来、自分で考え、自分で決める力を持っているのです。

心を揺さぶる「せいちゃん」の言葉

講演の中で最も印象に残ったのが、卒業生・せいちゃんの話です。

かつて彼は、前の学校で傷つき、大空小学校では「時限爆弾」を作っていたといいます。
そんな彼が、卒業式で語った言葉。

「人にとって一番大切なのは平和です。平和って、とっても簡単なんですよ。」

会場が静まり返る中、彼は続けました。

「今、自分の隣にいる人を大切にすれば、それだけで世界中の人が大切にされます。」

この言葉は、どんな理屈よりも強く、胸に響きました。
彼がこの境地に至ったのは、多様な仲間と共に過ごし、自分の存在を受け入れてもらえた経験があったからです。

今日から私たちができること

今回の講演を通して強く感じたのは、「大人が変わらなければ社会は変わらない」ということです。

私たちは無意識に「普通」を押し付け、子どもを分断してしまっているかもしれません。
しかし、本当に必要なのは違いを排除することではなく、違いを認め合うことです。

「誰も置き去りにしない社会」は、特別な仕組みから生まれるのではありません。
目の前の一人にどう関わるか、その積み重ねの先にあります。

まずは、自分の隣にいる人を大切にすること。
その小さな一歩から、すべては始まるのだと感じました。

私は特定技能生の受け入れを業務としています。多くのインド人が日本で生活しています。
日本の「普通」とインドの「普通」は異なります。

この2つの「普通」をどう理解しあえるような環境作りをするのか? 木村さんから大きな宿題をもらいました。

コメント・質問等お待ちしております

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