高校時代のあだ名から50年。一冊の本が教えてくれた、小泉八雲の「面白がる視点」

50年前の記憶と、キャプテンの声を聞き逃す?「芳一先輩」

高校時代の部活に、「芳一先輩」と呼ばれる先輩がいました。 練習に集中するあまりキャプテンの指示を聞き逃してしまうことがあり、仲間内から愛着を込めて「耳なし芳一」と呼ばれていたのです。

それから約50年。私は「耳なし芳一」という物語を一度も読んだことがないまま、今日まで過ごしてきました。

下関の歴史と繋がった、50年越しの「点と点」

ところが今朝の勉強会で、メンバーのKさんが山口県下関市を訪問された話をしてくださったのです。

下関の赤間神宮(旧・阿弥陀寺)には「芳一堂」があり、まさに『耳なし芳一』ゆかりの地であること。そして、その背景には平家一門が滅亡した壇ノ浦の戦いの悲劇があることを教えていただきました。

50年越しの記憶と歴史が繋がり、居ても立ってもいられなくなった私は、この機会に『耳なし芳一』が収録された本を購入し、初めてページをめくりました。

耳なし芳一・雪女~八雲 怪談傑作集 (新装版) (講談社青い鳥文庫 66-4)  小泉 八雲 (著), 黒井 研 (イラスト), 保永 貞夫 (翻訳)  

「耳なし芳一」のあらすじ

壇ノ浦の近くにある阿弥陀寺に住む盲目の琵琶法師・芳一は、琵琶の名手ゆえに夜ごと平家の亡霊に招かれ演奏を続けていた。
ある日、法一の異変に気づいた和尚は彼を守るため全身にお経を書くが、耳だけ書き忘れてしまう。
再び現れた亡霊に耳を引きちぎられた法一は、命は助かるものの両耳を失い、のちに「耳なし芳一」として知られることとなった。

朝ドラのモデル・小泉八雲が残した言葉

著者は、NHK朝の連続テレビ小説『ばけばけ』のモデルとしても知られる小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)です。

本の最後にあった解説には、彼の波乱に満ちた生涯が描かれていました。

いくつもの苦労を重ねながらも、目の前にあるあらゆるものへ深い興味と好奇心を向け続けた八雲。

その温かいまなざしがあったからこそ、異国である日本の生活を豊かに慈しみ、数々の名作や「怪談」を生み出せたのだと知りました。

おわりに:日常のあらゆるものに「好奇心」の目を向ける

高校時代の先輩のあだ名から始まった、50年越しの縁。

一冊の本との出会いが、小泉八雲という人の生き方と、どんな環境や日常も面白がって豊かにしていく視点を教えてくれた気がします。

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