特定技能インド人、妹の結婚式のため一時帰国する

【シリーズ⑭】特定技能でインド人自動車整備メカニックの日本就業へのいきさつをお伝えします。 

埼玉県狭山市でインド人2名の特定技能生・自動車整備の受入れ+日々のお世話係をしている谷口です。 

特定技能実習生の一人が、妹の結婚式で地元に一時帰国することになりました。 

インドで結婚式は大行事です。 
最低で2日、場所により3日程開催される場合もあります。 兄としては妹の結婚式の費用をすべて負担しているので、金銭的にも、家族的にもとても大きな役割を持っての一時帰国です。

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帰国する日程を調整する

結婚式で一時帰国する、といっても有給休暇を使用するので「希望通りの日数が『特別』に休めるわけではありません」と何度説明しても、納得してもらえません。 

「インドでは家族の結婚式であれば、上司はいろいろと融通してくれるんですよ!」と彼は主張しますが、ここは日本ですから…と説明しても、本人は納得できず。 

「私が工場長に説明して特別に休暇をもらいます!」と勢いよく出かけましたが、結果は… 

当初は有給を10日全て使う予定でしたが、工場長より「風邪・体調不良で休むこともあるだろうから、有給取得は5日を5月連休に付けて休みとしてください」とのこと。 

私の理解では、「入社1年未満のスタッフが5月連休に続けて有給5日取れること」が特例のように感じますが(まだ昭和的発想でしょうか…)、インド人スタッフは半分納得しつつも、もうすこし日程が欲しいな、の表情でした。 

「これは特例・スペシャルだから、帰国したらまたしっかり働いてね!」と伝えましたところ、早速次の飛行機予約となりました。 

飛行機を予約する

それからWhatsApp(LINEのようなアプリ、電話も使用可)で、「飛行機予約をしますが、携帯ではいろいろと手間がかかるし、詳細が見えないので、谷口さんのPCを持って自宅に来てください」とお願いのような指示の電話をもらいました。 

お世話係としては、大事な一時帰国を楽しんでもらうために! とPCを抱えて自宅訪問すると、早速いろいろなリクエストがあります。 

「行先はトリバンドラム、ここが実家の近くの空港です」 

ティルヴァナンタプラム - Wikipedia

「このネットに入って、エアーインディアをさがしてください」 
「次はこのサイトでマレーシア航空を調べてください」 
「預ける荷物の重量は35キロを希望するが、ここでは超過料金が必要、こちらは手荷物重量に制限がある…」などなど。 

やっとマレーシア航空で、成田・クアラルンプール経由・トリバンドラム行きのチケットが見つかり、購入しました。 

クアラルンプールでの待ち時間が6時間ほどでも「問題ない!」とのこと。 

私は成田・チェンナイ経由・トリバンドラム(インド国内線使用)を提案しましたが、「インドで国内線を使用すると荷物の重量制限が35キロ以下となり、超過料金を支払うことになるので、国際線で地元トリバンドラムまで行きたい!」 「よって、クアラルンプールでの待ち時間は問題ないです!」と彼なりの優先順位で、航空チケットの手配は終わりました。 

出発3日前の出来事 

「谷口さん、まだお土産が買えていないので、車で近くのデパートまで連れてってください」 と緊急連絡が入り、重い腰を上げて彼らの自宅経由、所沢のデパートに行きました。 

彼らの自宅は狭山ですが、「狭山のイオンではお土産が見つからなかった」とのことでした。 

電車を使えば所沢まで行けるのですが、彼らの認識は「自転車で遠いと感じたら、谷口の車を使おう」となっているようです。何度も「私はあなたたちのドライバーではない!」と言っていますが、まだ理解されていないようです。 

彼が買いたいお土産は、甘くて、インドの気温(40度以上)でも溶けずに、小分け(一口サイズ)してあるお菓子です。 

抹茶は美味しいよ ⇒ 抹茶は甘くないのでダメ 
カカオが多いと深い味で私は好きです ⇒ これも甘くないのでダメです 

などなど、とにかく甘いものが好まれるので、珍しいとか美味しいではなく、「甘い」がポイントでした。 

いくつか「甘い」候補を選んだ後、彼は急に店員さんを見つけて、「これがどのくらい甘いか試食をしたいので、一つ食べさせてください」と。 

店員さんは目を見開いたまま「無理です」 
「私は食べておいしければ2箱買います! 必ず買うので、試食させてください!」 (私をすがるような目で見つつ) 
店員さん「できません」 

私から、日本では試食する制度はないから諦めてと伝え(一般的にインド人の要望は「だめもと」が多いです)、諦めてもらい、そのお菓子を2箱買いました。 

これは結婚式に来る友人に渡すそうです。 

成田空港への移動 

出発当日は西武線の始発に乗り、池袋経由、日暮里経由、成田空港第2ターミナルに行くのですが、 

 質問①成田空港への行き方(乗換え)は分かっていますか? 
   ②自宅から最寄り駅まで(自転車で15分)、35キロと10キロの荷物をどう運ぶのですか? 
   ③帰国時は成田空港から自宅までどの交通機関を使いますか? 

3つの質問の答えは、すべてNO。 

「何も考えていないが、どうにかなるはず!」と楽観主義的発言をします。 

(ちょっと)心配性の私は、「出発当日朝に電話がかかってきて、急遽サポートするようになる可能性が高いのであれば、成田まで一緒に行く方が安全(乗換等を説明することも不要になるので)かも?」と思いました。 

これが最初で最後の成田空港への同行だからね! 来年は一人で行くんだよ! 

結局、始発45分前に車で彼の自宅に行き、荷物を積んで最寄り駅まで移動し(車は家族が乗って帰り)、始発電車で池袋・日暮里・(スカイライナーに乗らずに)成田空港第2ターミナルに着きました。 

チェックを済ませ、帰りのリムジンバス売り場と買うべきチケットを教え、最後に朝食を済ませて、私の「お世話係」の仕事は終わりました。 

義理堅い

移動日に成田まで同行したのち、自宅に戻ってきたら、電話がかかってきました。 

「今クアラルンプールです。無事です」 
「トリバンドラムに着きました。一家で迎えに来てくれました」 などの連絡がありました。 

また、ビザ更新をしてもらう行政書士の先生にもクアラルンプールから電話があり、「いつも在留届の更新ありがとうございます」とのこと。 

彼は(割と)義理堅い…。 

【後日談】 

インドでは長期休暇後に、スタッフが職場に戻らないケースが多いです。 

自宅でお母さんに世話をしてもらい、ご飯を食べて、「お前が居ないとさみしいよ・・」って言われると、自宅に長居して職場放棄となります。3回程電話で職場に戻ることを説得しても戻らない場合は、残念ながら解雇となります。 

そんな経験をしていたので、彼が予定通りの便で帰国するか? が心配でしたが、前日に「明日帰ります。お土産は何がいいですか?」とWhatsAppメールが来ました。 

先日のこともあり、やっぱりな~(出発のお土産準備も直前対応だったので)と思いつつ、「予定通りに帰国してもらうことが最大のお土産」と本心を伝えても、「帰りますよ~」と一言。 

予定通りに帰国日に成田から池袋までリムジンバスで帰り、その後池袋から西武線で最寄り駅まで来ました。 

もう一人のインド人と二人で駅に迎えにいきました。
かなり疲れ顔でしたが、無事に日本に戻ってきた姿を見て、ホッとしたのが本心です。 

来年からは、「本当に、すべてを一人で」対応してください! が私からのお願いです(笑) 

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