東京女性未来フォーラム2025にてアンコンシャスバイアスのワークショップを担当しました

はじめに

1月28日に、東京都主催の「東京女性未来フォーラム2025」のワークショップにて、「無意識の思い込みに気づこう~誰にでも思い込みはある~」をテーマにセッションを担当しました。

私たちが普段無意識のうちに抱いている思い込み、すなわちアンコンシャスバイアスについて、参加者自身がその存在に気づく機会を提供することが狙いでした。 50分という短い時間の中で、どれだけその本質に触れられるかというチャレンジでもありました。

アンコンシャスバイアスとは

アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)とは、私たちが無意識に形成する思い込みや判断基準のことです。

これらは個々人の生い立ち、文化、経験に基づいており、自覚せずとも日常の判断や行動に影響を与えています。

たとえば、性別や年齢、職業などの固定概念から、ある状況に対して「これが正しい」と無意識に決めつけることがあります。 自身の内面を探ることで、こうしたバイアスに気づき、より公平な視点を持つことが可能となります。

ワークショップの概要と実践例

今回のワークショップでは、参加者に「女性の未来を考えるワークショップに65歳男性が講師として登壇することに違和感を抱くか?」というアイスブレイクから始めました。

結果、数名は違和感を抱き、また別の数名は違和感がなかったという回答が得られました。

これは、参加者各々が過去の経験や価値観をもとに「違和感」を抱いたためであり、個々の内面に根ざす無意識の偏見が顕在化した瞬間でした。

実際に、「なぜ女性をテーマとした場に男性講師が登壇するのか?」という疑問は、これまでの経験から「女性ならではの視点で語るべき」という固定観念が働いている例といえます。 同時に、過去に男性講師による講演を経験しており、その内容に説得力を感じた人は、違和感を抱かずに受け入れられるという違いが見えました。

無意識の偏見が及ぼす影響

アンコンシャスバイアスは、職場や社会における意思決定、採用、評価など多くの場面で影響を及ぼしています。

無自覚に持つ偏見が、意図せずして特定のグループや個人に不利益をもたらす可能性があります。たとえば、性別や年齢に基づく固定観念が、リーダーシップの評価やキャリアの選択にまで影響することが懸念されます。

こうした偏見は、個人だけでなく組織全体の多様性や創造性を阻害する要因となりかねません。

自己認識と多様性の重要性

アンコンシャスバイアスに気づくための第一歩は、自己認識の向上です。

自分自身の価値観や固定観念を客観的に見つめ直し、どのような影響を受けているのかを考えることが重要です。 また、多様な視点を取り入れる環境を整えることにより、無意識の偏見に対抗する効果も期待できます。ワークショップの中で、参加者同士が意見交換を行い、異なる背景や経験を共有することで、互いに学び合い、偏見を乗り越える手助けとなるのです。

まとめと今後の展望

今回のセッションを通じて、アンコンシャスバイアスは誰にでも存在し、それに気づくことの大切さが再確認されました。

無意識の偏見に気づくことは、「ハッ」と気づく瞬間を生むと同時に、今後の社会や職場における多様性の推進において非常に有意義です。今後もこうした対話やワークショップを通じて、個々の意識改革を促し、より開かれた社会を築くための一助となればと考えています。

アンコンシャスバイアスは、単に個人の問題にとどまらず、組織全体、ひいては社会全体における課題でもあります。

各々が自らの固定観念に目を向けることで、異なる価値観や経験を尊重し、相互理解を深める社会の実現が期待されます。これからも多角的なアプローチで、多様性と公平性を促進する取り組みを続けていく必要があります。

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