有給取得が義務化になったのに、 まだごねているんです?

2019年9月5日 Vol.66


以前一緒に働いていたF子さんが、昨年の秋の京都に紅葉の写真を撮りに行きたくて、週末2日の有給取得申請をしたら、上司から「有給取得を連続で取るなんで仕事に対する取り組みが甘い。春も有休をとったじゃないか。今回は認められない」との回答があったそうです。


去年の秋に有給取得が出来なかったF子さんが、今年は是非秋の京都に行きたくで、有給取得の申請に挑戦します!とのメールをもらいました。


F子さんは写真好きで、一眼レフカメラと三脚を抱えて、各地を回っています。


今日のテーマは「部下の有給取得申請にどう対応すべきか?」です


多様化する人財対応の専門家 谷口彰です。


結論としては、有給取得は義務付けられているので、法令に従って有給取得は認めなければならない、という簡単なことです。しかし、組織として働く以上、権利と義務が発生します。

有給休暇取得の義務化とは?



働き方改革の一環で、2019年4月から労働者に年5日の年次有給休暇を取得させることが会社に義務付けられました。対象者は有給が10日以上付与される人です。(労働者全員ではありません)


有給付与ですが、フルタイムの社員の場合、入社後6ヵ月連続で働き、かつ労働日(カレンダー上の稼働日)の8割以上出勤した場合、10日が付与されます。


パートさんなどの短時間労働の場合は働いた日数等に応じて有休付与となります。


その後、有給付与は毎年増え、6年6か月後には、年間20日の有給が付与されます。


ですから、新入社員の場合、入社後6か月後であれば(稼働日8割の出勤が前提ですが)10日間の有給が付与され、すると年間最低5日間の有給取得が可能となります。


有給消化が出来ない場合、法律的には2年間の繰り越しは可能となっています。

有給取得を推進しないリーダー・経営者は時代遅れです!


私が若いことは、有給は冠婚葬祭以外と取得したことが無い。
風邪程度で有給取るの? 這ってでも会社に来い!

と言っていた上司が居ましたが、当時は呑気な時代でしたね。今ならあり得ないし、そんな会社には若い優秀な社員は来ません。


今の若者は、給与・福利厚生の大事ですが、特に今の社員は、仕事と生活のバランスを重視する社員が6割生活重視が2割を占めているので、有給取得は、生活バランス・重視型からはとても重要は要因となっています。

私なりの有給取得の考え方


これはあくまでも私の個人的な考えです。しかし過去ずーっとこの考え方で対応してきましたが、特に大きま問題はなく、社員からの評価を得ています(と私は理解していますが・・)

有給は業務に大きな影響はない、とデータで理解する


年間20日間の有給の大きさですが、もし年間稼働が260日とした場合、全体の7.7%。
もし2時間残業をする場合、全体の6.2%となります。


この数字が大きいと思うか? ですが、人間はとても柔軟的なので、7%程度は気持ちの問題で効率化できます。


今日は大きな資料作成があり、明日上司に報告予定。でも今晩は大切は人(恩人・先輩・恋人など)と夕食の予定あり、という場合、あなたは朝からず~っと頭に汗をかきながら仕事に集中して、定時前には資料は完成しているはずです。


通常なら2時間残業して10時間が必用な資料作成ですが、それが8時間で仕事が終わる。つまり効率としては20%アップしたことになります。ですから人間は柔軟的に、かつ効率的に働くことが出来ます。


ですから、年間6~7%は社員の気持ちでカバーできる範囲と理解してください。

上司も有給取得する、を宣言する


部下は上司を見ていますから、上司が全く有給を取得しないと、部下は有給取得申請はし難いです。ですから、上司も(最低)5日から10日程度の有給取得をすること(を自ら決めます)です。


そして、年間有給取得表をエクセルで作り、まず最初に管理職が日程を記入し、その後各自年間取得予定を書きます。


それを共通サーバー保管か壁に掲示します。それにより、グループ(課・チーム)単位で誰がいつ頃有給取得予定か?をお互いに理解します。可視化がとても重要です。


ポイントは年間取得予定をすべて書くことです。取れる時間があったら取る、という方法だと、ダラダラと仕事を続け、結局有給取得できなくなり、逆に有給取得できる・出来ないで不公平感が生まれ、取得しずらい雰囲気が出来てしまいます。

有給休暇は見聞を広げるために使う


有給取って何をすればよいの? と文句?を言う部下が居ますが、私は「見聞を広げてください」と伝えています。


紅葉の写真を撮りに行く、封切直後の映画を見る、日帰り温泉でリラックスする、平日ゴルフを楽しむ、家族孝行で夕食を作ってみる、普段読めない本や資料を読み込む、バイクで遠出する・・なんでもいいです。


皆さんの自由ですが、意図をもって過ごしてください。終日自宅でパジャマのまま、バラエティ番組を見るのはよいですが、それをしたい!と思っていればよいのです。


が、何もすることないからダラダラしていました、では本来の有給休暇の意味が半減します。


私の理解は、普段できないことを実行する日=有給です。


有給取得申請があるとき、業務に支障がなければ、すぐ承認しますが、その時(あまり個人の領域に入らない程度で)何するの?と聞きます。


老若男女はそれぞれ趣味と価値観が異なりますが、有給の使い方もとてもユニークです。取得後に話を聞くと、個々への理解を広げる良い機会にもなりますし、その意外性に驚くことは多いです。活用してください。

 有給取得は相互補助が基本


では何時頃ならば有休を取りやすいか? ですが、会社のイベントはすでに皆知っているので、予算・決算の時期、事業報告の時期、他大きなイベントがある時に、有給取得するのは事前整合が必要ですね。


有給取得は権利ですが、同時に会社の仕事に影響でないようにする、という大前提があるので、どうしても取得したいのであれば、早めに上司と相談すべきです。


その他の時期でも、業務の一部を同僚に依頼することがあるので、同僚が有給取得する際は、最大限のサポートをして、「相互補助」体制を自ら作ることが大切です。

でも有給7日間は常に持っておきましょう


これも個人的は意見ですが、7日は常に有給日数を保持した方がよいです。
インフルエンザに罹った際、5日間の出勤定時の指示が会社総務から出る場合があります。


5日間の定義は。発症日を0日、5日間外出禁止、つまり6日目から外出可能、となると7日間は外出禁止となります。土日を挟めば、5稼働日は外出禁止になります。


さらに、インフルエンザ以外にも軽い風邪、腹痛などがあるかもしれませんので、予備として7日間の有給は残しておくことをお勧めします。


今日も最後まで読んで頂きありがとうございます。
良い一日でありますように!

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