インド人 3つの幸せ:自分、家族、出身地への貢献~特定技能制度でできる貢献とは~
【シリーズ⑤】特定技能でインド人自動車整備メカニックの日本就業へのいきさつをお伝えします。
「最近、インド人に対して、日本で特定技能という制度を活用して自動車整備の仕事を紹介しています」と今の仕事を説明すると・・・ 「ああ、よく外国人が給与少なくてクレームを言ってきたり、最後には逃亡したりする・・あれ?」って聞かれる場合があります。
実際、何が原因で、実習生(この場合は技能実習生のケースが多いようですが)がトラブルに巻き込まれるのか? という詳細は分かりません。
ただ、せっかく日本で働く環境を得たのに、残念な結果になるのは悲しいですね。
もし仮に私がインドで職を得て、やっとインドに到着したのに、給与が事前取り決めと異なったり、現地でサポートしてもらえる人が居なかったりすると、本当に大変な状況になるな~と思います。
ですから、今日本で働きだした二人には「有意義な日々を過ごしてもらいたい」と思い、「インド人 3つの幸せ」を考えてみました。
目次
3つの幸せその1:日本で働くインド人が誇りを持って仕事をする「幸せ」
これは、労働条件・福利厚生等を日本人と同等にすることで、「特定技能で来日したインド人が、同じ仕事をしても、給与・福利厚生面で不利になることはない」環境作りをすることで実現します。
幸い、埼玉県の受入れ企業には、日本人の労働条件をそのままコピーして特定技能向けの給与規定と福利厚生を制定してもらいました。
ですから、給与、残業、保険、年金、福利厚生で質問をもらう際、制度・ルールの説明をする時、最後に一言「これ日本人と同じルールで対応しているからね!」と付け加えます。
仕事を始めた当初、二人は、「もっと給与を上げてください、残業したいです」と金額だけを気にしていました。
しかし最近は、 同じタイミングで自動車整備の仕事を始めた複数のインド人友人と比較して、自分たちの給与と福利厚生が一番良いことがわかり、「日本人と同等」の意味を実感してもらっています。
彼らがどこまで納得しているか? 100%の理解はできませんが、同じ職場で同じ仕事をしている日本人と同じ待遇だ、と理解してもらえることで、「私は従業員としてフェアーな対応をしてもらっている」と理解してもらっています(のはず・・です)。
これは、誇りを持って日本で働く、という幸せを提供しています。
3つの幸せその2 :インドに住む家族が仕送りで幸せな日々を過ごせる
これは上記その1に関連しますが、二人とも、給与をもらうと手元に5万円を残し、後はインドに送金しています。
両親・兄妹の生活費、妹の結婚資金(インドの女性は未だに持参金を用意する風習が一部で残っています)、そして、将来家を新築して、両親にプレゼントをする。
その後は自分の結婚と、帰国後に始める修理工場の開設資金となります(自分が社長となる予定) 。
日本で働き、日本人と同じ給与をもらい、それをインドに送金することで、インドに住む彼らの家族は生活でき、かつ結婚、新しい家、将来のビジネス資金となっています。
つまり、日本で働くことが、インドにいる家族の幸せにつながっています。
3つの幸せその3:出身地区での雇用拡大による、若者就業による幸せの広がり
5年後の特定技能期間終了後、二人はインドで、自動車修理のビジネスを始める予定です。
みずから修理工場を作り、社長として地元の若者を雇用する、という予定です。
これが実現すると、彼らの出身地の雇用拡大となり、幸せなインド人が増えます。
*最近は、「5年の特定技能終了後、インドに帰国して自分が結婚し、奥さん帯同で日本に来て生活したい」という夢を持ち始めました。
「奥さんを渋谷のスクランブル交差点、新宿、スカイツリーに連れていく」
「子供が生まれたら、日本の学校に通わせて、奥さんと子供をディズニーランドに行く・・」という話をするようになりました。
もしそれが実現すると、3番目の幸せは、 家族と一緒に日本での生活を始める幸せに変わるかも! です。
私たちの願い
私たち(受入れ企業、ビザ取得にお世話になっている行政書士さん、インドの日本語学校で日本語を教え、日本企業に人材を紹介しているKKさん、そして日々のお世話係の私)は、多くのインド人が幸せになるために、日々対応をしています。
いずれにしても、いま我々がインド人に願っていることは、日本での日々が彼らの幸せにつながることであり、それに反することは、絶対排除することが必要、と強く思っています。