特定技能の制度について:インド・自動車整備
【シリーズ③】特定技能でインド人自動車整備メカニックの日本就業へのいきさつをお伝えします。
特定技能制度について、「特定技能制度」「インド」「自動車整備」に限定して説明します。
特定技能制度とは?
対象となる外国人に必要な試験は?
受け入れ分野はどんなものがあるか?等です。
さらにインド人が「自動車整備」の資格を得るために必要な諸々や現状についてお伝えします。
目次
特定技能制度とは
「特定技能」とは、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れる在留資格の制度である。
この制度は、人手不足に対応するため、生産性向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において、中小・小規模事業者をはじめとした企業が外国人材を受け入れることを可能にする。
(引用 https://www.jitco.or.jp/ja/skill/ )
特定技能制度を利用して外国人が日本で働くためには、
① 「特定」技能に技能水準に関する試験に合格する
② 日本語技能でN4レベル(生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認、ひらがな・かたかなが読めて日常会話可能)に合格する
ことが大前提です。
よって、「特定」技能外国人にはある程度の知識・経験があり、日本語で通常会話はできるので、受入れ企業においては、全くの素人ではないので、(概ね)即戦力になりえます。
③ 在留期間は1年間で更新され、最長5年間の滞在が可能
④ 家族の帯同は認められない
*特定技能2号は帯同を認められるが、別途技能試験に合格する必要がある
特定技能の領域(特定産業分野・12分野)
現在、日本で特定技能外国人を受け入れられるのは以下の12の分野です。
①介護
②ビルクリーニング
③素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
④建設
⑤造船・舶用工業
⑥自動車整備
⑦航空
⑧宿泊
⑨農業
⑩漁業
⑪飲食料品製造業
⑫外食業
インド人が特定技能の在留許可を得る方法
前述したとおり、「特定技能」試験と日本語検定「N4」レベルの取得が必要です。
さらにインドで特定技能試験を受験できる領域は「介護・農業」の2領域に限定されています。
介護・農業の技能実習の場合、インドで特定技能と日本語の試験に合格すれば在留申請を行います。
しかし、介護・農業以外はどう特定技能資格試験を受験・合格すればよいのでしょうか?
⇒自動車整備の資格を取る方法をご参照ください
インド人が特定技能で「自動車整備」の資格を得る方法
現在(2023年11月)、インド国内で特定技能・自動車整備の試験を受ける機会はありません。よって、
インド人が特定技能試験を受けるには
①日本に短期ビザで入国し、特定技能・自動車整備の試験を受験する。
②受験後、インドに帰国する(合否はすぐ判明するが、その後の在留許可が認められるまで2か月ほど必要なので一旦インドに帰国してもらう )
③在留許可が認められた後に、インドから日本に移動し、日本での就業が開始となる。
というインドと日本の行き来が必要となります。これが現在一つの大きなハードルとなっています。
※現在、インドでは政府陳情で、国内で自動車整備の特定技能試験を受ける機会を設けるようお願いしていますが、未だ実現していません。
特定技能「自動車整備」の試験は、国外ではフィリピンで受験できます。
しかし、海外に慣れていないインド人を日本からの指示でフィリピンに行き、そこで試験を受けてもらう、というアレンジをするよりは、日本に来日してもらってから試験を受けてもらう方が、(こちらの手間ですが)楽である、と考えます。
現在の状況
現在(2023年10月より)、2名のインド人が特定技能として埼玉県で自動車整備の作業を開始しています。
この2名は以前(2022年8月~)岩手県にて、建材加工の仕事を「技能実習生」として開始しました。しかし契約期間が1年間であったため、彼らは
「せっかく日本に来たので、もう少し長く働きたい」
と考えました。
日本に来る前、彼らにはインドでの自動車整備工場で3年から5年の実務経験がありましたので、
「そうだ、自動車整備の仕事で日本で働けるかも?」
と考え、自ら
・特定技能の試験を受ける
・日本語N4の試験を受ける
ことを行い、幸い2つの試験に合格しました。
同時期に私は、インドのビジネスパートナーに「現在自動車整備の仕事を3~5年経験しており、かつ日本で5年間働きたい人はいますか?」と問い合わせました。
すると、「岩手県にすでに2つの試験に合格しているインド人がいますよ」との紹介をもらい、早速ZOOMで二人と面談をしました。
それから「いろいろ」ありましたが、幸いにも埼玉県のトラック整備を中心に業務を行っているS社での勤務が決まりました。
「いろいろ」については今後の記事で紹介していきます。
乞うご期待です!