特定技能のインド人がSIMカードを買う大変さ
【シリーズ➉】特定技能でインド人自動車整備メカニックの日本就業へのいきさつをお伝えします。
特定技能生が日本でSIMカードを買う時のドタバタ劇です。
特定技能インド人にとっての携帯電話の必要性
インド人2名は、会社と自宅にWi-Fiがあれば、「電話」を使う機会はとても限られています。
彼らの主な通信手段は WhatsApp(日本のLINEに相当する通信アプリ)なので、日常的な日本の友人やインドにいる家族との連絡は問題ありません。
しかし、(例えば)バスティマライス(細長い外米)をネットで注文する際、クレジットカードやデビットカードを持っていないので、着払いを選択します。
着払いには電話番号を入力する必要があります。
そこで携帯番号を持たない彼らは、私の携帯番号を連絡先として入力します。
もちろん事前に連絡があるので、私は了承しています。
数日後、宅配業者さんから私の携帯に連絡があり、
「ムニヤさんですか?」
「いえ、私は代理人の谷口です」
「ムニヤさんは近くに居られますか?」
「いえ、居ませんが連絡は取れます」
「今から30分後に〇〇をお届けしますが、着払いなので、3980円をご用意ください」
「はいわかりました。伝えます」
といった会話の後に、WhatsAppで宅配があることを彼らに連絡する、ということが数回ありました。
また、2回目の在留カード更新の書類作成時期が近くなり、行政書士の方より、
「二人はそろそろ携帯電話を持った方がいいですね。書類申請する際に、連絡先の番号がないと、4ヶ月経過しているのになぜ携帯を持たないのですか? と質問された時に特別な理由がないので、早めに携帯番号を取得した方がいいです」
とのアドバイスもありました。
以上のような経緯もあり、インド人二人は、ヤマダ電気に自転車で行きました。
ヤマダ電機にて、携帯ショップの方が丁寧に説明してくれました。
そこでその時点で、SIM維持費(ほとんど電話は使用しないので最低料金)が一番安い楽天SIMの購入を希望しましたが、結論としては、彼らは楽天SIMを購入しませんでした。
格安SIMカード購入の壁
楽天担当の方から、
「お二人の携帯機種はインドで購入された、とのことですが、楽天が指定している楽天SIMが適用できる機種の対象外です(対象にはなっていません)」
と言われたのです。
つまり、楽天SIMを買ったのちに、手持ちの携帯にSIMを入れて、もし使用出来なかった場合、楽天としては責任を負えません、とのことでした。
彼らから相談を受けて、
一人は「私は携帯を買います」、
もう一人は「私は買えないです。別に買いたいものがあります」とのこと…。
*「別に買いたいものがあります」は別テーマで説明します
経緯は省略しますが、一人はiPhone15 Pro Maxを購入しました。
私は驚きましたが、彼には「今年5月に妹が結婚をするので、その時に地元の友人に見せたい」という大きな夢があることを知りました。
ただし、在留カードで滞在期間が限定されているので、分割支払いが出来ず、お金を集めてキャッシュで買いました。
もう一人には、私の家族が以前使用していた携帯を(データを消すなどの初期化をしたのちに)無償レンタルという形で貸すことにしました。
その際、「この携帯は、セットアップに英語がありません…」とのことでしたが、30分ほど一緒に画面を見ながら、無事にセットアップは終了しました。
再度楽天SIM購入に戻ります。
月々の使用料の支払いを、セブン銀行の口座を使いたいと申請したところ「セブン銀行は扱っていません」と言われ、再度自宅に戻り、郵貯口座の通帳を持っていき、やっと手続きが完了すると思ったら…
「今から(ゆうちょから)ワンタイムパスワードを送るので、それを教えてください」とのこと。
二人はSIMをもっていないので、そのパスワードを受け取ることが出来ず、
「谷口さん! 今から谷口さんの携帯にパスワードが送られるので、それを教えてください」とWhatsApp(携帯ショップはWi-Fiがありました)で連絡があり、数分後に送られてきたパスワードを伝えることで、やっと彼らは楽天SIMを買うことができました(最初はインドの携帯番号にパスワードを送ってください、と依頼したそうですが、即ダメと断られたとのこと)。
直面して気が付くニーズ
今まで普通に携帯を買ったり、SIM交換をしていましたが、インド人(在留期間が限定されている)の場合は、色々な制限があることが分かりました。
これも次回へのノウハウの蓄積と思い、「いい勉強になったな〜」と思いました。
このSIMの限られた話から一般化するのは危険ですが、個人的には、日々の様々な機会で日本の至るところでグローバル化が必要になる! と感じました。