インド人は写真好き を改めて実感したスカイツリーでの3時間 ~インド人特定技能生との都内観光~
【シリーズ⑦】特定技能でインド人自動車整備メカニックの日本就業へのいきさつをお伝えします。
初めての給与は儀式?
インド人二人の就業許可が降りて、通常業務が行われるようになり、私はホッとしました。
最初の給与が出てすぐの二人からの言葉は、海外から日本で働く外国人の気持ちを表すものだと思いました。
「谷口さん、給与は約束通りに支払ってもらいました」
「えっ、なにか問題があったの?」
「いいえ、約束通りの金額が給与として銀行に振り込まれていました」
私にしてみれば、「雇用契約書に書かれている条件で福利厚生・給与支払いが行われることは当たり前」と思っていました。しかし外国人にとって、最初の給与は「きちんと支払われるのか」を確認する大切な儀式となっていました。
「この会社はいい会社です。ここで働けて良かったです」という彼らの感想は、とても意味深いものでした。
日本就職お祝いツアーにて
さて、最初の給与がでたので、お祝いをしよう! とのことで、前から彼らが行きたがっていたスカイツリーに行きました。
当初はスカイツリーだけでしたが、「新宿のアップルストアを見たい」「東京タワーを見たい」「浅草浅草寺を見たい」等々希望が膨らんできたので…「何かを削らなければ」と話しました。
最終的にはスカイツリーと東京タワーはどちらも「タワー」なので、スカイツリーに決まりました。
アップルストアでは、最新のiPhone15 ProMaxを手に入れて、二人はニコニコしていました。インドでは15ProMaxを持つことがある種のステータスとなっており、地元に帰れば皆から強烈な羨望の眼差しが向けられること間違いなしです。
その携帯を十分に見て、触り終わったのちに、スカイツリーに向かいました。
スカイツリーに着いてから、チケットを買って、第一、第二展望台をまわり、地上に降りてくるまでに約3時間かかりました。
えっ? そんなにスカイツリーは混んでいましたか? と思われるかもしれません。
このとき、チケットカウンターにも、展望台にいくエレベーターにも、列はありませんでした。
ここでインド人の「カメラ好き」の本性が現れてきました。本当によく撮ります。
まずはチケットカウンターに行く前、「タワーの入口で写真を撮りたい」とのこと。
タワー全体と自分が一緒に撮れる場所は限られ、一人が地面に座り込んで撮りますが、なかなかお気に入りの一枚が撮れません。
写真を一枚撮ると、映りをチェックして、また一枚。そしてチェックしてまた一枚。
これが永遠に続きます。
やっと一枚撮れた! と思ったら、(既に日は暮れていますが)今度はサングラス姿が必要! とのことで、繰り返しのチェック。
「お~、撮れたんだね」「でも、もう一人を撮ります・・」が続き、チケットカウンターにたどり着くまでに約30分です。
同様なことが第一展望台、第二展望台で続き…私は持って行った雑誌を読み終わり、メールチェックが終わり、芸能ニュースを見ているときに、「ここって楽しいですね。写真がたくさん撮れました!」の言葉をもらい…スカイツリーの旅(写真)は終わりました。
ここまで読んで、「ん? スマホがあるなら二人と一緒に居なくても大丈夫では?」と思われるかもしれません。
まずスマホを買うまでは、二人と離れると連絡が取れなくなるため、「(あなた方は)SIMを持っていないんだから、私から離れないでね」と言いながら一緒に動いていました。
二人がスマホを手に入れたら「終わったら私はここにいるから、スマホで連絡してくださいね」と別行動ができそうですが、不慣れな場所で待ち合わせをするのは少々不安がありました。
こんな訳で、一緒に行動していました。
最後の目的地・浅草浅草寺では、とっくに仲見世のお店は閉まっていましたが、お祈りをして、その日の「初給与のお祝い会」は終わりました。
その後、浅草でお好み焼きを食べましたが、私は少々疲れており…
でも彼らに楽しんでもらえた一日だったので、良い一日でした。