仲間が増え、改めてインドの多様性を実感!
【シリーズ⑰】 特定技能でインド人自動車整備メカニックの日本就業へのいきさつをお伝えします。
10月から特定技能生が2名追加になりました。
これで現在、埼玉県では4名の自動車整備(メカニック)が就労しています。
追加の2名は来年1月中旬より三重県の支店に移りますが、まずは最初の特定技能生2名がいる埼玉県で仕事と生活をして、日本の生活に慣れてもらいます。
4人の生活(今は一軒家を会社が借り上げて社宅にており、短期間ですが、そこでの共同生活になります)を見ていると、本当にインドは【多様性】の国であることを実感します。
4人のプロフィール
4人のプロフィールを簡単に紹介します。
4人の大きな違いは言葉!
Mさん、Pさん、Mさんが南インド出身で、Aさんだけが西インド出身です。
大きな違いは言葉です。
南インドではタミル語が使用され、西インドではマラティ語が使用されます。
この2つの言葉は、書き言葉と発音が全く異なるので、お互いに理解できません。
よって、南インド出身3人はタミル語で話しますが、そこに西インド出身のAさんが参加すると、急に日本語(4人の共通言語として)に切り替わります。
4人とも英語も話せますが、「英語と日本語を比べると日本語の方がお互いに理解しやすい」とのことです。
では、それぞれの言葉がどれだけ違うのか、をサンプルで紹介します。
タミル語(Tamil language)のサンプルです。
- こんにちは: வணக்கம் (Vaṇakkam)
- おはようございます: காலை வணக்கம் (Kālai Vaṇakkam)
- ありがとう: நன்றி (Naṉṟi)
- さようなら: போய்விட்டு வருகிறேன் (Pōyviṭṭu varukiṟēṉ)
- 元気ですか?: நீங்கள் எப்படி இருக்கிறீர்கள்? (Nīṅkaḷ eppaṭi irukkiṟīrkaḷ?)
マラティ語(Marathi language)のサンプルです。
- こんにちは: नमस्कार (Namaskār)
- おはようございます: शुभ सकाळ (Shubh Sakal)
- ありがとう: धन्यवाद (Dhanyavād)
- さようなら: अलविदा (Alavidā)
- 元気ですか?: तुम्ही कसे आहात? (Tumhī kase āhāt?)
マラティ語は一部ヒンディー語に似ていますが、以下のような違いがあります。
文字と書き方
- マラティ語: デーヴァナーガリー文字を使用しますが、独自のマラティ特有の文字(例: ळ, ण)が含まれています。また、発音もヒンディー語と異なることがあり、特に「ळ」や「ण」の発音が特徴的です。
- ヒンディー語: デーヴァナーガリー文字を使用し、標準化された形で広く普及しています。一般的にマラティ語よりもシンプルな音韻体系を持っています。
発音とアクセント
- マラティ語: 発音は、地域ごとに異なることが多く、語尾の「a」音が弱く発音されることが特徴です。また、「ळ」(laの巻き舌音)や「ण」(ṇaの巻き舌音)など、特有の発音があります。
- ヒンディー語: 比較的発音が標準化されており、イントネーションも単調な傾向があります。巻き舌音はあまり強調されず、より明確で平坦な発音がされます。
などなどと書いておりますが…私はインドに2回、合計で7年弱生活していました。
でも、ヒンディー語の単語10個程度を覚えただけで、終わってしまいました。
その理由ですが、当時、物流業の仕事をしており、地区責任者会議を毎月開催していました。東西南北の責任者が集まるのですが、皆言葉が違うので、インド人同士が「共通語としての英語」を使用して会議をしていました。
その姿を見て、ヒンディー語を覚えても、使えるのは北インドだけ…と理解し、学習への意欲が減ったことを覚えています。
食事の味付け
一般的にインド料理はスパイスが強くて辛い、というイメージをお持ちだと思います。
しかし、インド人4人に聞いてみると 、「西インドの味付けは辛いので、私たちは食べられません。」 とのことです。
西インドのAさんが使うスパイスは「チリパウダー」のみ。
Aさん曰く、「チリパウダーには多くのスパイスが混じってますよ!」
(きっと個人の感想だと思います)
それに対して、南インドチームは、複数のスパイスを使って、(彼ら曰く)「軽い味」が好きとのことです。
これは「たまたま一緒に生活している4人のインド人の日常」です。
言葉・宗教・食べ物などが異なる人が集まり、【普通】に共同生活している4人を見て「多様性を実践しているタフさ」を感じました。
コメント・質問等お待ちしております
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→最初から読む【シリーズ①】私のキャリアとインドとの関係の始まり