「多様性に対応する力(CQ)」をマネジメントに活かす
【シリーズ⑬】特定技能でインド人自動車整備メカニックの日本就業へのいきさつをお伝えします。
「今、特定技能で来日しているインド人の生活対応をしていますよ」と友人に言うと、ほぼ全員から「インド人っていろいろと言うから、大変でしょ?!」と気遣ってもらえます。
私はサラリーマン時代に海外駐在期間があり、インドは2回・計7年住んでいました。
その前にはアメリカとタイでの駐在がありましたが、国別になにかマネジメント方法を変えるという器用なことはせず、ただ流されるままに仕事をしていたように感じます。
外出禁止令中に考えたインド文化に合致するマネジメント
しかし、2回目のインド滞在中の2020年、コロナ対応として外出禁止令が出されました。
外出禁止令が出ている間は、警察、軍隊、医療関係者、食品配達の方以外は外出禁止です。自宅から外出すると警察から厳しい検問を受けて、逮捕される可能性がありました。
ですから、会社のビジネスは100%ストップ。収入がゼロとなっても、従業員は雇用しているので、給与の支払いは続きます。
どうすりゃいいの? 経費カットをしないとヤバイ・・とかなり焦っていました。
たまたまですが、同時期に「CQ:Cultural Intelligence Quotient:多様性に対応する力」を学んでいました。海外生活をしている中で、「各国で文化が違うから、そこの文化を理解して、その文化に合致した対応をすべき」という考えに興味を持ち、「インドはどんな文化で、どんなマネジメントをすればよいのか?」をもっと知りたくなりました。
そこで、CQの基となっている「ホフステード文化6次元」で、インドと日本の文化比較をしてみました。
ホフステード先生はオランダ出身の社会学者です。
ホフステード文化6次元で見る日印文化比較
世界で初めて各国の国民文化の価値観を視覚化しました。文化を6つの視点から分析したので、文化6次元と言われています。
添付の資料で、インドと日本の文化比較から言えることは、
- インドは権力格差が大きいので、上司は部下に明確は指示をする
- インドは集団主義が強く、家族・出身地域を重視する
- 日本は達成主義が強く、日程厳守・「きちんとした」成果を求める
- 日本は不確実性回避が高いので、不確実なことは実行しない
- 日本は長期志向が強く、短期<長期視点で仕事や生活をしている
- 日本はより生活を楽しむ傾向がつよい
日本と比較するとこんなに文化が異なるインドなので、特定技能インド人の生活対応・支援をすることはそれなりに対応の仕方が異なります。
しかし、文化の違いを感じた時は、「日本人は○○の理由でこれはしない(これをする)」などと、日印文化比較を日々伝えながら、インド人が日本で生活しやすく、また職場の日本人がストレスなく一緒に仕事ができるように、推進しています。
今年はあと2名のインド人が追加となり日本での生活が始まります。
インド人が日本で働きやすいように日本を理解してもらい、日本人がインド人スタッフをより理解して一緒に業務できるように、ホフステード文化6次元を活用して、2国間の橋渡しができるように対応していきます。
→続きを読む【シリーズ⑭特定技能インド人、妹の結婚式のため一時帰国する】
→最初から読む【シリーズ①】私のキャリアとインドとの関係の始まり