「静かな人の戦略書」感想:「自分にもできる」と自信をもてた1冊
「静かな人の戦略書」は、内向的な性格を持つ方々の背中をおしてくれる一冊です。
私自身もこの本を通じて、内向性の隠れた力を再認識し、「自分にもできる」という自信をもつことができました。
本記事では、私が学生時代からの内向性との向き合い方や、自身の強みを見つける旅、さらには「静かな人」が持つ潜在能力について、具体的なエピソードと共にひもといていきます。
ビル・ゲイツやマハトマ・ガンジーなど、世界に大きな影響を与えた内向的な成功者たちの例も挙げ、内向性がどのように社会で成功する力となるのかをお伝えします。
この記事が、内向的な方々にとって、自身の価値と力を再認識し、自信を持つきっかけになれば幸いです。
内向的な自己認識を抱えて生きる
私がこの本「静かな人の戦略書」を手にしたとき、自身の内向的な性格を改めて認識しました。なぜなら、私はちょっと「内向的」と思いつつ、「外向的」ではない、と思って生きてきたのです。
本では、外向的でない=内向的である、とのことでしたので、少々納得していませんが。
この独特な認識は、幼少期から近所の兄ちゃんと遊びながら約60年間、他人の誘いに「乗ってみる」形で生きてきたからかもしれません。そして、それが私の内向性を構成する一因となったのでしょう。
私は学生時代にあるクラブの執行部になったことがあるのですが、まさに自身の内向性を浮き彫りにしたものです。当初、執行部員になる予定は全くありませんでした。活動には一生懸命でしたが、「執行部」という地位につく気は全くなかったのです。
しかし、5人の執行部のうちの1人が突然辞めてしまい、私がその後任になるように誘われました。そして、肩を押される形でその役割を引き受けることになったのです。
それはなんとも言えない経験でした。
”ポッと出だよなー”、”谷口なんて知らないなー"と言われたこともありました。その理由は、活動だけを一生懸命やり、「外交」活動など一切してこなかったこともあると思います。それが私の内向的な性格をより強調する結果となりました。
その後就職して、職場でも、時折「覇気がない」と指摘されることがありました。しかし、私はそれをあまり気にせず、自分が好きな仕事に集中しました。その結果、時折褒められることもありました。
しかし「もうちょっと覇気があればなー」と付け足されることもあったのです。
自分自身の強みを知る旅
50歳を過ぎたある日、私は「クリフトンストレングス・テスト(旧ストレングス・ファインダー)」と出会いました。これは自分の強みを診断するツールで、私自身の強みを数値化し、明確に把握することができます。
そして、気にしていた私の資質の最下位は「社交性」でした。これが私の自覚的な内向性を裏付けてくれました。しかし、同時に、ストレングスファインダー・コーチから受けた分析(この結果をどう理解するか?)は、私にとって大きな自信につながるものとなりました。
私の結果は(薄々感じていましたが)これでした 。
トップ5の資質
- 達成欲
- アレンジ
- 個別化
- 調和性
- 収集心
そして最後の5資質は
- 指令性
- 回復志向
- 原点思考
- 適応性
- 社交性
一方で、そのテストの結果が示す私の強み、「個別化」、「収集心」は、私にとって社交性を補う資質となりました。1000人を相手にするのではなく、10人程度の少人数を相手に、一人ひとりの価値観や考え方を理解し、それに対応することが私の得意なスタイルだったのです。
「それが谷口さんの個性であり、それをもっと伸ばすことが人生を豊かにすると思います」と、ストレングスファインダー・コーチに言われ、 それ以来、「個別化」と「収集心」を大切にしてきました。
この「個別化」と「収集心」があることを確認したことで、課内の部下との対話など、小規模な場での人間関係なら、自分でもうまく対処できると思えました。「大規模」よりも「小規模」が私の得意なフィールドだという認識を新たにし、「自分でもできる」と自信を持つことができました。
それから思うのは、「この本をもっと早く読めばよかった」ということです。しかし、今までの自分を否定するのではなく、これからの自分を肯定するためのステップと捉えています。私の個別化と収集心、それが私の新たな力になると思っています。
「静かな人」の価値を再認識
そして、この「静かな人の戦略書」を読むことで、私は内向的な人が持つ数々の潜在能力を改めて認識しました。それは「聞く力」、「気配り」、「謙虚」、「冷静」、「観察眼」、「戦略的思考」、「質の追求」、「慎重」、「準備力」などといった、日々の生活の中で自然に発揮している力です。
内向的な人は「即応の反応」に向いてない、という特徴があります。
内向型はじっくりと考える傾向にあり、じぶんが言おうとしている言葉の真意を慎重に考えてから口を開きます。ですから、事前対応がとても重要であり、でも事前対応ができていれば、十分に対応できる資質を持っています。
「静かな人」の戦略書
この本を通じて、私は内向性を持つ自分が外向性を持つ人々と同等に、あるいはそれ以上に世の中を生き抜くための潜在能力を持っていると気付きました。内向的な人は、声高に宣言しなくとも、そのままで世界と繋がり、影響力を発揮することができるのです。
さらに、ゴールを達成するためには、必ずしも外交的なリーダーシップが必要ない、ということもこの本から学びました。「自分でもできる」という自信が芽生えたのです。そのため、自分にはできない、自信がない、と思っている人々に、ぜひこの本を読んでほしいです。
もし、このタイトルの本を手に取ったり本棚に並べることをためらった場合、電子書籍という選択肢もあります。肩の力を抜いて読んでみてほしい1冊です。
私自身が「静かな人の戦略書」から得た知識と自信を活かして、これからも自分らしく、自分のペースで生きていこうと思います。そして、同じように内向的な性格を持つ人々に、その価値と力を再認識し、自信を持つきっかけになればと願っています。
世の中は、外向的な人に有利にできている。
又は、外向的な人が社会で成功する。
との迷信?がありますが、本当でしょうか?
もちろん、多くの外向的な人が社会では成功していますが、内向的な成功者も多くいます。
によると、内向的な人は
・J・K・ローリング(ハリーポッター著者)
・ビル・ゲイツ(マイクロソフト共同創立者)
・エイブラハム・リンカーン(アメリカ合衆国第16代大統領)
・アルバート・アインシュタイン(物理学者)
・マハトマ・ガンジー(インド独立の中心者)
・ウオーレン・バフェット(投資家)
意外だと思われるかもしれませんが、決して外向的ではありませんが、同時にシャイ(恥ずかしがり屋さん)でもなく、思慮深い内向的な人々です。