内向型人間の不思議を探る: フィンランド人・マッティの世界
フィンランドの文化と内向的な性格を持つ人々の特性を探る一冊、「マッティは今日も憂鬱」。
この記事では、カロリーナ・コルホネン著の同書を紹介し、フィンランド人の「憂鬱」やホフステード文化6次元分析を通じて、フィンランドと日本の文化の違いや共通点を探ります。
フィンランド人・マッティの独特な世界観を通じて、自分自身の内向的な部分を再発見し、新しい視点で自分を理解する手助けとなることでしょう。
内向的なあなたにこそ、この本の魅力を感じてもらいたいです。
目次
「マッティは今日も憂鬱」紹介 カロリーナ・コルホネン著
以前「静かな人の戦略書」をご紹介し、多くの方から反響をいただきました。
その中で書かれていた、「マッティは今日も憂鬱」という本を紹介します。
まず、最初のページに何が書かれているのかご紹介したいと思います。
こちらがマッティ、典型的なフィンランド人です。
彼は平穏さと静けさ、そして個人的領域を非常に大事にしています。マッティのモットーは、「自分がしてほしいことを人にもする」ということ。
マッティは今日も憂鬱
礼儀正しく、無駄なおしゃべりで相手を困らせたりはしません。
しかし、それが常に思い通りにいくわけではありません。
つまり、フィンランド人を一言で描写すると
「平穏と静けさとパーソナルスペースをとても大切にしている人々です」となります。
決して人前でガンガンと演説をするのではなく、個人の居場所を大切にしています。
この本の魅力: さまざまなテーマでフィンランド人の「憂鬱」を解説
本書は以下のように構成されています。
- 人であるということ
- ご近所つきあい
- 公共の場で
- ショッピングにて
- 食べ物&食事
- 人づきあい
- 職場にて
- マッティが夢みること
具体的には、
- 洋服屋で「店員さんが、話しかけてくる」その気配だけで、もうその場から立ち去りたくなる。
- 「出かけたいのに、ドアの外に住人がいる」いつまでも家のドアの内側で、外の気配を探っている自分。
これがフィンランド人なのか! と思いつつ、内向的な私と多くの共通点を見つけて・・・
ニヤニヤしつつ読んでました。
なんでこんなに周囲に対して気を遣うのだろうか? と思いつつ、結果的には思い通りの結果にはならず・・・気まずい思いをしばしばしております(苦笑)
フィンランドでは、2015年のインターネット上での発表以降、2016年には最も売れたコミックとして注目を浴びました。
フィンランド国文化をホフステード文化6次元分析をする
ホフステード文化6次元とは、オランダの社会心理学者ジェルト・ホフステードによって提唱された文化比較モデルです。このモデルは、異なる国や文化を理解し比較するための道具として広く使われています。
ここでフィンランドと日本の文化の違いを見ると
- 権力格差:フィンランドは少ない。つまり(組織における)上司と部下の間がとても狭い
つまり、上司は部下を友人のような親しさをもって接します。 - 個人主義・集団主義:フィンランドは個人主義が強い傾向がありますが、それがパーソナルスペースを大切にする傾向があります。
- 達成主義・弱者共済:日本は達成主義が高いので、仕事でもプライベートでも「きちんと」「ちゃんと」最後まで仕上げる傾向が強いです。フィンランドは真逆で、弱者救済の思考が強いです。フィンランドの消費税は24%(日本は10%)で、税率は高いですが政府がしっかりと税金を徴収して、弱者に対しては、政府がサポートをすべき、という考えがあります。
フィンランドと日本は、マッティを通じて、共通点があります。
しかし、文化6次元視点から見ると、各項目での数値が大きく異なることがわかります。
内向的なあなたにこそ読んでほしい一冊
フィンランド人は「内向的」とよく言われますが、この本を読んで納得するあなたもまた「内向的」かもしれません。私自身も「内向的」なので、この本には深く共感しています。
この物語の中に、あなたの心の片隅に潜む「小さなマッティ」を見つけてみませんか?
ぜひ、この本を手にとって、フィンランド人・マッティの独特な世界観を楽しんでみてください。