残業禁止!でも仕事は終わらない現場での対処方法とは?

多様化人財対応の専門家 谷口彰です。


先日、日本の管理職の方々とZoomで情報交換をした際、今の緊急課題はなんですか?とお聞きしたら、全員が残業規制と言われていました。

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働き方改革で、残業規制となるのは理解する。

しかし、ある日突然、残業は○○時間以上禁止。禁止だからね。頼んだよ!
って言われても、どうすればいいのですか??

管理職の帰宅時間が遅くなるだけですよ・・・

先週は部下が自宅にパソコン持ち帰って仕事して・・それが総務から指摘されて始末書書いたし・・

急ぎで! って部下に仕事を頼んだら、『あと2時間しか残業できませんが、「あれとこれ」どっちをやればいいですか??!』 って逆に言われるし、皆ピリピリ・ギスギスしてますよ・・

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残業規制は世の中の流れですから、それに従うことは重要である、とは理解するが、現実問題として、業務の効率化・要員増などの施策なしでは、現場では仕事が溜まっていきます!


誰が、いつ片付ければいいのでしょうか?

コメント・ご質問等お待ちしております。こちらからどうぞ。



残業を減らすには、まずは「マインド」変化が必要です



仕事を一生懸命やっている部下ほど、減らせる業務はない。自分の仕事に無駄はない! と思い、信じています。


減らせるはずがない!


もちろん、今まで遅くまで残業を行い、多くの仕事をこなし、処理して、成果を上げてきた部下は、自分に自信を持っています。


これだけの時間をかけてこれだけの成果を上げた、と強く信じている部下に対して、簡単に「残業時間減らしてね!」と一言伝えただけでは、業務時間を減らす・残業規制なんて絶対無理、と思っており、行動に移せません。


まずは、残業を減らすという指示を出す前に、その部下と今の仕事内容を棚卸しながら、減らせる業務は無い、という思い込みマインドを切り替える必要があります。


例えば、精緻に作り上げている評価資料について、これとここは、通常レベルでよいから、とか部下の仕事へのこだわる姿勢は尊重するものの、内容そのものには直接関係ない箇所はレベルダウンをお願いする、などです。


「ここは不要だから」などと伝えると、今までの部下の努力は無駄だった・・と理解される場合があるので、あくまでも、努力と成果は認めるが、あくまでも残業規制が始まるので、ここはレベルを下げてもらいたい、という表現が適切です。

残業を減らすには、次に「行動」変化が必要です


マインドの切替ができて、よし残業を減らすぞ、と気持ちに切り替わったら、次は具体的は行動です。


とは言え、大胆に業務内容を切り替える必要はなく、地道な取り組みから始めると良いと思います。


私は自分の経験から・・


「まずは「自分の仕事」と「他人の仕事」に分けて、自分の仕事を最優先で時間内に終わらせることが第一優先。

もし余裕があれば、「他人の仕事」を手伝うが、経験的にはほぼその時間は無かった」


と思います。


仮に部下全員が自分の仕事を時間内に100%仕上げるとしても、それはかなり大変なことです。


今まで1日に約1.5時間残業(月30時間残業として)をしているものを、ほぼゼロにするわけですから、労働時間を15%削減することになります。


残業を減らす具体的は方法

時間内に、まずは自分の仕事を終わらせる

 

経費を15%削減って大事件です! それを労働時間で15%も削るのですから、普通の対応ではできません。


つまり、ここで大切なことは、「よく知っている自分の仕事」を振り返り、仕事の内容を「付加価値の高い順」をつける。



そして優先順位の低い仕事って何でしょうか? を見直してみる。

無駄な作業がないかチェックする



私の経験では、それらの付加価値の少ない仕事(優先順位が低い仕事)は3つあります。

データ作成

 

① データ作成(エクセルの技:関数等を知らずに)。
  黙々とデータを張り付けたり、各シートをつなげたり、かなり無駄で
  複雑怪奇な業務をしている(ことを発見した)


② データ入力(全体資料を作製するために、自分仕事のデータを入力する)
  それは、自分が作ったデータを全体資料に再入力する、という部類の業務です


③ 本当に使われているか不明な資料。
  資料作成後は共通ファイルに保管するが、誰が何の目的で使用するかはわからない
  (前任者からの引継ぎ業務)


これらが信じられないほどの量で存在します。実際に部下と個々に仕事の棚卸をしましたが、皆が(私の知らないところで)かなりの仕事を持っており、驚いた経験があります。


①データ再入力は、部内にいたエクセル達人(エクセル関数を使いこなせる)を見つけたので、彼に部署全体のデータ作成方法を見直してもらいました。


そして彼が先生となり、個々のデータ入力・作成を極力エクセル関数使用して簡素化することが出来ました。


(エクセル達人は寡黙な社員で、自分の仕事ではエクセル関数を駆使していましたが、その他のスタッフには何も言わない・・言えないシャイな性格でした)

本当にエクセル関数をちょっと使っただけで、データ作成時間が激減したので、
皆さんの部門でもエクセル達人を探すか、達人育成のためにセミナーに通ってもらうと効果大です。

データ入力


普段何気なくデーター入力をしていますが、その入力されたデータは、
その後どこでどのようにつかわれているか? 


については皆、あまり関心を持ちません。


私が以前調べたところ、その作成された資料は、第三者がまた入力している場合が半数以上ありました。


つまり、一度入力されたデータは最データ入力される場合がおおいです。


そこでまたエクセル君の登場です。あるデータ入力は資料完成までに「入力1回のみ」とし、エクセル君に託しました。


結果は・・ほとんどの入力が1回のみとなり、ここでも多くのデータ入力のダブり(2回)を廃止することで、付加価値の無い仕事を大きく削減することが出来ました。

意味不明な資料作成


これは見つけるのが大変です。その資料作成を当事者が開始したのであれば、経緯は熟知しているはずですが、前任者からの引継ぎで資料を作成している場合、誰がその資料を作成する当事者なのか? を見つけるのが大変です。


ある例ですが、以前他部門からある資料を参考としたいので、毎月共通ファイルにアップしてください、との依頼があったようです。今の担当者は当時の担当者の次の次の担当者で、引継ぎでその業務対応をしていました。


何故この資料を作成しているのか? 誰が使うのか?は知らずに資料を継続作成していました。


その後業務見直しとなり、他部門で誰が必要としているのか? を調査しましたが、誰も見つからず・・


結局、相手不明につき、仕様作成を終わる、となりました。この資料は3年間もの間、毎月作成されていました。

おススメとしては、良く目的がわからない資料については、当面資料作成を止める、そしてクレームが出たら(なぜ資料作成を止めたのか?)再度作成を開始する、という簡単なルールを作ったうえで、資料作成を中止すると良いです。


私の経験では、資料作成を止めた以降に来たクレームはゼロでしたので!!



残業を減らすためにやっと始まる「業務の効率化


上記の3つの仕事を見直すことを中心に対応すると、自分の仕事は目途がつき、やっと、「あっ、少し時間の余裕が出来た・・」という感覚を掴めます。



そこでやっと、仕事の効率化・事務の効率化に進めます。


効率化といても、短期間で効果を出す方法となるので、あまり大掛かりなことではありませんが・・・


私の経験としては、「自分の仕事」をどのように減らしてきたか、という体験談の共有化です。


自分の仕事は皆熟知していますから、削減しどころが分かります(優先順位として)

それを部署内で共有化すると、各自でさらに気づきが生まれ、さらなる業務の簡素化が促進されます。

その他としては、バーコードを使用してデーター入力を簡素化するなどの方法、市販ソフトを導入して、部門での請求書発行を会社レベルに統一するなど、いろいろとありますが、それは部門・会社レベルの対応となりますので実行と効果を出すまでに時間が必要となりなすね。

 

今の管理職・リーダーの皆さんの関心事項である、「残響規制・残業禁止」は世の流れですから逆らう事はできません。


だから常に一歩前を行く皆さんとしては、個々の部下が個人ベース「自分の仕事」で削減できる無駄な仕事を見つけ出し、上記3つの無駄取り方法を参考に、コツコツ削減するだけで、かなりの時間を捻出できますので、是非お試しください。



またその無駄取りの過程で、部下と業務の見直し、その対応を決める際に、多くの会話がふえるので、副産物としての部下とのコミュニケーション量の増加が挙げられます。それはとてもよいことだと思いますし、部下にしれ見れば、付加価値の少ない仕事を減らしてくれるので喜んでくれるはずです。

さらに「業務効率」を上げるには


最後に、こんな笑い話があります。

人間の感覚は自分の気持ちに大きく左右される、と言われます。

上司と一緒の昼飯はたった30分でも苦痛と感じる場合が多いが、彼女・彼氏との3時間の夕食は苦にならず、楽しい時間となっている。

つまり、業務に興味があり、本当にこの仕事に遣り甲斐を感じ、集中して仕事ができれば、効率は上がり、成果も出てきます。

しかし、仕事そのものに興味が薄ければ、気持ちが入らず、成果も少ないことになってしまいます。



ぜひ残業時間短縮を実現する際、無駄な業務をやめることはもちろんですが、部下が「やりたい」「遣り甲斐を感じる」「おもしろい」と思える仕事を探し・与えることが、真の意味での「業務の効率化」だと思います。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。

良い一日をお過ごしください。

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