部下との面談の進め方 6箇条
2019年9月16日 Vol.68
部下との面談を定期的に推進している会社が増えています。
しかし、リーダー・経営者になる際に、「部下との面談の進め方」という勉強会などもなく・・
とある電気製品販売会社のW部長さんは、当事者としては、やっていはいるものの、これで本当にいいの? という心配があります、との事。
今日のテーマは「部下との面談の進め方」についてです。
多様化人財の専門家 谷口彰です。
部下との面談は会議室等のクローズな空間で行われ、かつ上司・部下の2名しかいないので、その面談そのものを評価する第三者が居ない、という事が事実であり、課題でもあります。
部下の数も増えてきており、10人以上の部下を常に抱えるリーダー・経営者の方は多いと思います。
ハンバーガーのマクドナルドの研修では、部下8名に上司1人というグローバルルール(どの国でも同じ基準)があるそうです。
・・となると、8名以上の部下を持つことは、管理・サポート不足になる可能性が多いということです。
部下との面談の進め方のポイントは、部下が成長するための時間であること・上司との信頼関係を構築する時間でもあることを意識して、W部長さんに下記の6点を参考にしてください、と伝えました。
目次
部下は上司との面談を楽しみにしている、という事実
上司と部下が言葉を交わす(会話をする)機会はとても少ないです。
日々、業務指示はありますが、それは特に感情が入ったりするわけではないので、部下からすると上司との(業務指示以外)の会話ができる(ほぼ)唯一の機会だからです。
上司にしてみれば、多くの部下の一人でありますが、部下にとっては一人の上司なので、その認識を合わせることは重要です。
部下との面談の進め方
部下の成長を期する場・日々の評価を伝える場ではない、という事を意識してください。
評価の時間となると、部下は身構えますし、本音が出てこない場合があります。
それを毎回面談前に伝えることが重要です。
その理由は部下に認識してもらう事、上司が改めて評価でなく、成長を促す場なのだ! と再認識し決意するときでもあります。
あくまでも、面談は部下の成長のための時間でなくてはなりません。
面談は雑談から始める
雑談と言っても週末の野球・ゴルフの話ではなく、あくまでの部下に関することであるべきです。
よく雑談から始まり雑談で終わる面談があるようですが、決して雑談だけで終わってはダメです。面談=雑談という悪い噂が出回ります。部下も暇ではありませんから、面談に対する気持ちが後ろ向きとなります。
雑談は、その面談する部下の個人的な事で、出張の件・セミナー参加の件・転勤してきた新しメンバーの件、または子供・家族・趣味など、「その部下」だけの話題が大切です。 部下が「私のことを気にしてくれていて嬉しい」と感じてもらうことが重要です。
この嬉しい・・がその面談時間を有意義なものにします。
振り返り、良かったことを示す
最近どうですか? などの一般的は悪くないが、部下としては「上司は何を考え、何を聞きたいのか?」と考えてしまいますが、端的に、「最近の業務で上手く仕事が回っていることはなんですか?」などと具体的に、良いことから(悪いことは最後に回して)聴いていきます。
具体的に、何が良かったのか?
それに対して部下はどんな苦労・工夫があったのか? を掘り下げて聞き、部下なりの取り組みを理解し、それを承認することです。
上司視点では、仕事は上手く回って当たり前ですが、部下はそれなりに工夫をしています。その工夫と努力を認めて(承認)上げることが大事ですね。
改善点・気になる点を示す
後半では、上司視点から、改善点、気になる点を伝えます。その際、明確に客観的な事実と理由をつけて説明します。
決して、私の若いころは・・とか、そんなの当たり前でしょう!と言っても時代が違うので、上司の当たり前=部下の理解 ではないのだ! という理解が必用です。時代は変わっています!!
部下にすると、これが評価のマイナスポイントか? と身構えるので、事実を伝え、部下はそれを理解してくれたのか? を確かめることが大切です。何度も言いますが、部下とは生きている時代が違うので、上司の意見を正しく理解しているか? の確認が必用です。
私の例ですが、部下に改善点を伝えましたが、それはほんの小さな点であるからアドバイスとして聞くか・・程度にしか理解してもらえず、なぜ上司視点からそれが大切な点なのか?の説明にかなりの時間を割いた、という苦い思い出があります。
今後の目標を明確にする
面談の最後には、今後の課題を期間を決めて、実行する内容と部下の役割を明確にします。
部下がしり込みするようであれば、上司としてサポートを約束し、そのフォローが必用です。
面談は部下の成長を期する場なので、何も課題なし、では終われません。ちょっと背伸びしないと出来ないようなストレッチ目標を与えることが重要であり、そこから部下との会話・接点が増えてきます。
部下に面談メモを作成・提出してもらう
部下にメモ作成をしてもらうと良い点は
・部下が面談を思い出す機会となり、かつ今後の課題を再認識する
・上司が重点的に時間を使った内容も、部下の面談メモに記載されない(意識されていない)場合があり、上司として、面談のやり方を見直すよい機会となる
本音では、多くの部下面談メモを適時整理する時間が無いのが事実です。ですから部下に面談メモを作成してもらえることは、一石二鳥となります。
でも、最初は面談シートを用意して準備する
面談も経験を積めば時間配分を含め、自分が予定していた流れでおわります。がまだ面談に慣れていないリーダー・経営者の方は、最初はメモ程度で結構ですから、面談(の流れとメモ)シートを作成し、そのシートに合わせて面談すると、流れがスムーズになります。
・項目ごとの時間配分 全体を30分として、では雑談は何分程度が良いのか? をメモしていると次の話題に変わるポイントが分かる
・雑談でのネタ(備忘録程度に)
・前回の目標と評価ポイントのメモ
・評価したい点と改善を求める点のメモ
面談は場慣れが重要です。私の経験では 20回ほど面談を経験すると、度胸がすわり良い面談ができるようになります。
ただ、最初に書いたように、面談は会議室などのクローズは場所で行われるので、なかなか第三者評価をもらえません。
ですから、親しいリーダー同士で、模擬面談を行い、第三者からコメント・アドバイスをもらうことをお勧めします。また、携帯で模擬面談をビデオで撮り、それを見ながらみんなでアドバイスし合う事もお勧めです。
今日も最後まで読んで頂きありがとうございます。
良い一日でありますように!