世界経済フォーラム ダボス会議・ジェンダーギャップ指数(評価方法)について
世界経済フォーラムは、ダボス会議が有名で、毎年スイスで開催されています。
今回は、世界経済フォーラムが2006年以降発表している「ジェンダーギャップ指数」から、私ができることを考察します。ジェンダーギャップ指数とは、各国における男女格差を測る指標です。
日本のジェンダーギャップ指数評価(2022年版)は、146か国中で116位と主要7か国(G7)で最下位でした。
目次
世界経済フォーラム・ダボス会議とは
世界経済フォーラム(World Economic Forum)は、経済、政治、学究、その他の社会におけるリーダーたちが連携することにより、世界、地域、産業の課題を形成し、世界情勢の改善に取り組むことを目的とした国際機関。
1971年に経済学者クラウス・シュワブにより設立された。
スイスに本部を置き、非営利財団である。
スイスのダボスで開催される年次総会「ダボス会議」が特によく知られており、選ばれた知識人、ジャーナリスト、多国籍企業経営者、国際的な政治指導者など、各国の要人が一同に会し、各種会合を行っている。
(Wipediaより引用・抜粋)
ジェンダーギャップ指数とは
今日本において特に関心をもつべき事項は、世界経済フォーラム(WEF)が調査・評価する各国の男女格差の現状を評価した
「Global Gender Gap Report」(ジェンダーギャップレポート・世界男女格差報告書)を理解し、その対応をすることです。
日本のジェンダーギャップ指数評価(2022年版)は、146か国中で116位と主要7か国(G7)で最下位でした。
この評価をどう理解し対応するか?
その第一歩として、この評価方法がどのようにつくられているか?という背景を理解する必要があります。
ジェンダーギャップ指数の計算方法とは
計算方法
男女格差の指数(ジェンダーギャップ指数)は、基本的には「女性÷男性」で計算され、男女の格差が無くなれば指数(スコア)は「1.000」に、格差が大きければ「0.000」に近づきます。
よって、ジェンダーギャップ指数は0〜1の数字で表され、0が完全な不平等を、1が完全な平等を意味します。
例えば、ある国で、男性の議員が60%、女性の議員が40%を占めている場合、ジェンダーギャップ指数は以下のようになります。
ジェンダーギャップ指数 = 40% ÷ 60% = 0.67 となります。
4つのカテゴリー
男女の格差を測定するために、政治・経済・教育・健康の4つの分野が設定されています。
さらに、それぞれの分野でより詳細な指標を示すものとして2次指標(sub-index)を設定しています。
経済分野5項目、政治分野3項目、教育分野4項目、そして健康分野は2項目と合計14項目あります。
その各々について、女性÷男性で指数を出し、その総合指数(スコア)をまとめて国の指数となります。
4つのカテゴリーは下記となります。
1,経済分野(経済活動への参加・機会の状況に男女差はないか)
項目:①労働者比率 ②賃金 ③所得 ④管理者比率 ⑤専門職・技術職比率
2,政治分野(政治的意志決定への参画などで男女差はないか)
項目:① 議員(衆議院)比率 ②内閣の閣僚比率 ③ 元首の在任(過去50年間)
3,教育分野(就学における男女格差の状況はどうか)
項目:①識字率 ②初等教育 ③中等教育 ④高等教育
4,健康分野(出生時の男女差・平均寿命の男女差はどうか)
項目:①出生 ②平均(健康)寿命
ジェンダーギャップの4カテゴリー別スコア
【経済】0.564(121位)
① 女性の労働参加率 0.750(83位)
② 同一労働の賃金格差 0.642(76位)
③ 収入の格差 0.566(100位)
④ 管理職の女性割合 0.152(130位)
*⑤ 専門職・技術職比率(データなし)
(参照:「Global Gender Gap Report 2022」p.208)
【政治】0.061(139位)
① 国会議員(衆院議員)の女性割合 0.107(133位)
② 閣僚の女性割合 0.111(120位)
③ 過去50年間の女性首相の在任期間 0.000(78位)
(参照:「Global Gender Gap Report 2022」p.208)
【教育】1.000(1位)
評価4項目とも完全平等の1.000
【健康】0.973(63位)
健康は0.973の63位(前年は0.973の65位)でした。
実際のスコアは8位ですが、同率の国が多かったので、結果として65位となりました。
上位国のジェンダーギャップ指数
アイスランド、フィンランド、ノルウェーなどの国が上位を占めています。
ホフステード博士提唱の文化6次元によると、これらの国々は、『生活の質』を重視する国々です。ですから、政治面でも経済面でも女性活躍が目覚ましい国々です。
日本では、まだまだ『生活の質』より『達成思考(目標重視)』が強いので、これらの国々とは異なった文化次元をもっているので、ジェンダーギャップ指数が飛躍的にアップするには、まだまだ時間がかかると思われます。
また上位の国々の顔ぶれより、ジェンダーギャップ指数が高い国=経済的に豊かな国 とは一概に言えません。
逆に、経済面とジェンダーギャップ指数の関連性が薄いのであれば(これは個人的仮説ですが)日本にもジェンダーギャップ指数をあげるヒントがあるのかもしれません。
ジェンダーギャップ考察
日本のジェンダーギャップ指数評価は(2022年版)は146か国中で116位と主要7か国(G7)で最下位でした。
上記における4つのカテゴリーでは、
政治・経済が特に低く、教育が1位、健康が65位(データとしては実質8番目)でした。
逆に、政治と経済が特にスコアが低く、これが全体を大きく引き下げる原因となっています。
政治と経済!
ここで現実から逃げるつもりはありませんが、私にできることは経済分野での女性管理職の増加ではないかと考えています。
男性優位社会において、女性が活躍する場所をどう作るか?
それは女性を別格にして「特別扱いする」というものではありません。
男女に共通するアンコンシャスバイアス(無意識の先入観、偏見)をどう減らすか?
性別よりも、個人資質や環境(育児、介護、自分の健康状況)に応じて、どこで「その人」が一番活躍できるのか?
この視点が一番重要だと私は考えます。
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