多様性:ホフステード先生の言葉を思い出す
ホフステード先生の言葉
人間のサバイバルは、違う考えを持つ人と協働する力にかかっている
は、とても示唆に富んでいる内容です。
最近の新聞記事では、
「LGBTなどの性的少数者をめぐる「理解増進」法案の制定といった多様性の実現について」
という内容が多くなっています。
ここで書かれている 【多様性】 とは何を意味する言葉なのでしょうか?
ダイバーシティ【多様性】とは何か?
最近よく耳にする言葉として
・女性のキャリア支援(女性管理職比率指標)
・子育て支援(女性キャリア支援のため)
・障害者の雇用(障害者の雇用義務化で雇用率管理)
・高齢者のリソース活用(年金受給時期の遅れ)
などがありますが、本当にこれらは【多様性】なのでしょうか?
ダイバーシティ経営とは
ダイバーシティ経営の目的として
短期的には、雇用の確保が挙げられます。総務省の資料では、2008年から国内の労働人口は減少傾向となり、その傾向は加速される、とみられています。
現在の男性中心の雇用状態を多様化させることで、労働人口の確保(減少の歯止め)をしたい、との意図があります。
しかし、ダイバーシティが雇用を目的とすることが【多様性】 なのでしょうか?
本来であれば、男性中心の社会に於いて、女性、障害者、高齢者と一緒に働くこと事で、相互理解が促進され、その状況における働きにくさ、働きやすさ とはどういうことなのか? がわかり、それに対応することで社内制度(さらには社会制度)を変えていくこと・変え続けることが多様性につながる第一歩だと思います。
女性の社会進出を加速するには、通勤・育児・病院対応等々、男性には理解できない多くの課題があります。
それを女性が中心となり、女性の働きやすさを実現することがまずは第一歩です。
しかし、それでもまだ目的が雇用の確保から抜けきっていません。
本来のダイバーシティ【多様性】を持てるのであれば、女性の感性・視点で、新しい商品、環境整備、価値観を会社のダイバーシティの成果として挙げられて、初めてそのダイバーシティが【真の多様性】となった時だと思います。
ダイバーシティ経営のメリット
現在はまだ男性(特徴として、通勤できる、残業できる、出張できる、有給は限りなく取得しない)が中心の企業文化ですが、実は、「男性」としても、通勤がつらい、残業しづらい(共働き、介護あり)、出張したくない(介護など)、有給は定期的に取得したい(勉強したい、家族と時間を過ごしたい)など、いわゆるイメージされる「男性」とは「異なる男性」がいることは事実です。
しかし、男性というカテゴリーにて、多数派を占める通勤・残業・出張を厭わない、いわゆる主流派に入れない事情を持った男性社員に対し、ダイバーシティ【多様性】を積極的に受け入れる会社の姿勢は、非主流派男性社員の離職の可能性を下げるというメリットもあります。
つまり、男性、女性、障害者、高齢者、といったカテゴリーはありますが、実際はそのカテゴリーの垣根は低くなり、いろいろな事情を持った社員が今すでに存在する、という理解が必要です。
多種多様な事情を持った社員が、多様なサポートをもらい、業務を進めていける環境こそ、真のダイバーシティ【多様性】であり、その結果として、新しい視点、新しい価値観が生まれ、企業は新たなイノベーションを進める環境ができる、と思います。
人間のサバイバルは、違う考えを持つ人と協働する力にかかっている
ホフステード先生の言葉を繰り返しますが、【違う考えを持つ人】と【協働する力】がサバイバルの必要条件です。
一例ですが、マネジメントは、新入社員を「Z世代とは仕事のやり方が違う」と嘆くことなく、なぜZ世代はマネジメント世代と異なる仕事のやり方、進め方をするのか?
をまず理解することが、その組織を強化して、一体感をもち相互補助ができる組織運営につながる、と信じています。
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